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4.23 彼女観察 教室から

彼女に気付く朝まで、俺の席から見えるその駐車場が幼稚園のものだということさえ知らなかった。


彼女を見つけた次の日の朝、初めて無意識にではなくその場所を見ていると、数え切れない程の車が狭い駐車スペースに出たり入ったりを繰り返していた。

幼稚園ってバスで行くんじゃなかったっけ。

確かにその後、可愛らしい角の丸い黄色のバスも、沢山の園児を吐き出した。

あの人の子供、今日はバスなのかな。

それなら彼女は来ないな。

そう思いながらも、白い軽を目で追ってしまう。

今まで軽自動車に関心を持つことなどなかったから彼女の車種は分からなかったし、分かったところで他の車と見分けがつくとも思えなかった。

けれど、何台目かの白の軽を目で追っていると、昨日のように駐車スペースに頭から突っ込んだのがいた。

どん、とまるで胸を内側から殴られたかように心臓が打った。なんだこれ、心臓ってこんな動き方して大丈夫なの。

運転席のドアを開けた女性は、髪は黒いが、一見すると昨日の彼女なのかどうか判別がつかなかった。

髪は緩く編まれているようで、水色のトップスにベージュのスキニーパンツ。

違うか?彼女じゃないかも。

いや、彼女かも。

昨日と同じように車の後ろを通って助手席に移動したその人は、やはり彼女だった。

やった!見つけた!見つけたところで正にただ見ることしか出来ないのだが、何故か動悸がめちゃくちゃ激しくなった。落ち着け俺。


そして、彼女が助手席から小さな手を引いて気付くのだ。


ああ、そうだった。

馬鹿みたいだ。

俺はどうしてこの人を見てるんだろう。









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