木耳同好会
はんですか?」
木耳「何言ってるん?木菟、此処はまだ非公式なんだぜ。活動場所も学校とか限らないし。そもそも、木耳同好会の事を部活と思ってる?」
木菟「はい。普通それしかないっすよ。」
木耳「とんでもねぇ。大体、其処らの部活と同好会とは格が違うんだよ。俺が目指してんのは木耳教の設立だ。そこらの訳のわからん部活と一緒にされたくねぇんだよ。」
木菟「訳のわからんのはこっちじゃないですか?」
木耳「はぁ?何ッ…お前、何か言ったか?木耳教を迫害する異教徒は出ていけ。」
木菟「でも、俺が出ていってしまったら信徒が居なくなってしまうのでは。」
木耳「そうするかな。じゃあ政人君これからも
宜しくね。」
木菟「分かりました。」
木耳「 会員1号なんだからね。しっかり頼むよ。」
木菟「分かってますよ。」
木耳「さて、木耳研究でもしようか。ふむふむ。木耳はユダの耳という意味なのね。ジーザスを裏切り、首を吊った。十二使徒ユダの、その傍らに生えた茸なのか。木耳教迫害者の多くはキリシタンじゃろう。だが、俺は負けんよ。どんな対立候補が攻めてきても、この聖域、木耳崇拝堂だけは守り抜く。木耳愛が産んだこの教派は。」
木菟「昔、かのイスプレマ帝国の詩人、モルトーニュは言った。聖域…それは守るべき思考の拠点。城壁はいくつ破られようとも、聖域は守らなくてはならない。それが無くては生きる術を見つけることは出来ないのだから。さあ!旅人よ。聖域を守りなさい。どんなに敵が多くても。命の果てるまで。聖域を守らなくせず恋は有るか。いや有り得ない。愛も手に入れられないだろう。聖域を守るプライド無くして家庭は築けない。天下も取れない。さあ!自由人よ。時々刻々と、聖域を越えんとする敵は来るぞ。そして、逃げ出すな。敵を迎え撃て。かくすれば、人生は成功するだろう。イウェント アウス ヴァイシス ア ローネ!木耳さんも気付いたんですね。この詞に。」
木耳「あぁ、何言ってるか分からんけどな。」
木菟「そうなんすか!マジかよ…」
好徳「と言うのが設立者、好大氏の伝説らしいのよ。歴代の会長に伝わっている。」
最上「流石、木耳崇拝会初代会長っす。」
好徳「だが、彼は20代会長の時に死んでしまったらしいのよ。彼は木耳の醤油漬けが好物で最期は木耳の醤油漬けと御飯のみで…」
最上「それで、栄養不足になって…」
好徳「あぁ。そうなんだよ。でも当時の会長いわく、直ぐに棺に釘が打たれてしまって本当に死んだのかもわからないのだ。まだ生きているかもしれない。」
最上「そうなんすか?驚きです。」