敵はいない
お風呂場の扉が開かなくなった話。
一人暮らしだと大問題ですよね。
「お風呂入ってる時にさ、扉が壊れて出れなくなったら、サイアクだよねー」
そう。
昼休みに、そんな話をしたのは私だ。
だからって、再現しなくてよくない!?
お風呂場のドアをガシャガシャして、もう一時間。
もはや涙目なんだけど!?
ピンポーン
誰か来た!救世主!!
声を張り上げようとして――止まる。
……待って。
知らない人に裸見られて平気?
隣の人とかだったら?
それこそ最悪では?
あー、ダメだ。詰んだ。
ピンポーン
しつこいな!今こっちはピンチなんだよ!!
「いないのかな?今日、一緒に勉強しようって言ってたのに」
その声は――彼氏様!!
そうだ、今日一緒に勉強するって言ってた。
だからシャワー浴びてたんだよ。下心はある!!
「スマホも出ないしなあ。帰るかー」
嘘でしょ!?帰るの!?
先週、「プレゼント」って言って渡そうとした合鍵、
受け取っておいてくれれば!!
「俺たちには早くないか……」
可愛いこと言うなあ!!
……じゃなくて!!
受け取っとけよー!!
おかげでピンチだよー!!
ピンポーン
も、戻ってきた!?
「ちょっとー、回覧板ー。」
お隣さん!!
こんなとこ見られたら明日には全員にバレる!!
それはダメ!!
「居ないのかしら。どこ遊び歩いてるんだか……」
お前には関係ないだろ!?
風呂場に閉じ込められてるんだよ!!
誰かー!
私の味方はいないの!?
読んでくれてありがとうございます。




