第四章 魔女の告白、真実の同盟
ある夜、私は森へと忍び込んだ。
古代の魔導遺跡──魔王の血を受け継ぐ者だけが入れるという場所。
そこで待っていたのは、魔女セフィラ。
ゲームでは「中立の魔女」として登場するが、実は魔王の旧友だった。
「ようこそ、我が主の娘よ」
彼女は跪き、頭を下げる。
「千年の封印の果て、ついにあなたが目覚めた……」
「あなたは、なぜ私を知っているの?」
「魔王ベルゼブは、お前が人間界で育てられることを望んだ。光と闇の狭間で、新たな道を切り開くために。だが聖教団はそれを恐れ、記憶を消し、力を封じた」
「聖教団……?」
「そう。彼らは“正義”を掲げながら、魔王の血統を抹殺し続けた。フェリシア姫も実はその一員だ。彼女の“聖なる力”は、魔王の力を吸収する術でできている」
「……それって、つまり……」
「フェリシアはあなたを食い物にするために、ここに来たのだ」
私は言葉を失った。
前世ではフェリシアは純粋なヒロインだった。
だがこの世界では──偽りの正義が真の悪を隠している。
「私は、どうすればいいの?」
「戦うしかない。でも一人では無謀だ。勇者たちの中にも、真の正義を信じる者はいる。アルトスもその一人だ」
「……あの、私を警戒している勇者?」
「彼は光の教えに疑問を抱いている。貴女の力を見て、何かを感じ取ったはずだ」
「なら……彼と手を組む?」
「闇と光が手を結べば、偽りの正義は崩れる」