表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

第二章 血の記憶、黒き炎の継承


 王宮の図書館にこもった私は、数日かけて禁書の奥深くを調べていた。

 グレイモンド家の系図、古代魔導書、そして──魔王の記録。


「ここだ……」


 一冊の黒い革表紙の本を開く。

 表題は『闇の血統:魔王の子孫たち』。


 魔王ベルゼブはかつて人間の貴族女性と密かに契りを交わし、その娘をこの世に残した。

 彼女の名は──クラウディア・シュナイダー。

 だがその事実は封印され、歴史から抹消された。


「……そうだったのか」


 私は震えた手でページをめくった。

 そして、最後のページに一通の手紙が挟まれていることに気が付く。


 我が娘よ。

 お前がこの手紙を読むとき、お前の血が目覚めた証拠だ。

 お前は闇の王女の血を引く者。

 光の秩序に囚われるな。

 お前の力は破壊ではなく、真の自由を求めるものだ。

 父より。


「父……魔王ベルゼブ……?」


 何故だか涙が零れた。

 私は孤児だった前世。

 家族も愛も知らなかった。

 でもこの世界では──誰かが私を待っている。


 その夜、私は初めて自分の魔力を解放した。


 部屋の中央で黒い炎が渦巻き、天井まで届くほどの炎柱が立つ。

 それは、光の魔法とは違う。

 闇を操る力。

 創造と破壊の根源。


「私は悪役令嬢じゃない。私は──王女だ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ