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没落貴族ですが、なぜか美少女だらけの貴族屋敷で甘やかされてます

 没落貴族の三男として生まれた俺──レオン・ウィンベルグは、今日からエーデルローゼ邸の住み込み管理人だ。


「ようこそ、エーデルローゼ邸へ」


 門をくぐった瞬間、絵画のような光景が広がっていた。白亜の館、整えられた花壇、噴水のある中庭。そして、館の前で待っていたのは、金髪の美少女だった。


「……あなたがレオンね?今日から、よろしくお願いいたします」


 それが、この屋敷の主──クラリス・エーデルローゼ嬢だった。


 白を基調にしたドレスに身を包み、清楚な笑みを浮かべるクラリス嬢は、まるで絵本から抜け出したような優雅さをまとっていた。俺なんかがここで働いていいのか、不安になるほどに。


「お、お世話になります。ご期待に添えるよう努めます……!」


「そんなにかしこまらなくても大丈夫よ。ここでは、あなたが“管理人さん”。安心して過ごしてね」


 どうやら彼女は形式ばった関係を望んでいないらしい。貴族令嬢というより、どこか“親しげな年上のお姉さん”のような雰囲気だ。


 実際の年齢は俺と同い年だというのだから驚きだ。


 ──それから数時間後。


 案内された部屋は驚くほど豪華だった。木製のベッドに羽毛布団、大きな書き物机と、専用の浴室までついている。


(管理人って、こんな好待遇だったか……?)


 仕事の内容は、主に庭の手入れや簡単な清掃、買い出しなど。屋敷にはメイドも数人いて、実質的な雑務を手伝う程度だった。


 まるで“居候”のような感覚だったが、クラリス嬢はそれを咎めるどころか、


「あなたがここに来てくれて、私はとても嬉しいの」


 と、毎日のように言ってくれるのだった。


 ──そんな、三日目の夜のことだった。


 カーテンを閉め、ベッドに潜り込もうとした矢先──


「レオン、起きてる?」


 ノックの音もなく、扉がそっと開いた。


「く、クラリス様……?」


 そこには、ランプを手にしたナイトドレス姿のクラリス嬢が立っていた。


「ごめんなさい、突然。でも……少しだけ、そばにいてもいいかしら?」


 断れる空気ではなかった。


 それに──彼女の目が、どこか寂しげに潤んで見えたから。


「……どうぞ」


 クラリス嬢はほっとしたように微笑み、俺の隣に腰を下ろした。


「お仕事、お疲れさま。レオンは、いつも頑張ってくれてるわね」


「そ、そんな……当然のことを……」


「当然なんかじゃないわ。私は、ちゃんと感謝してるの」


 彼女の細い指が、俺の髪に触れた。優しく撫でながら、囁くように語りかける。


「だから今夜は、私があなたを癒やしてあげる……」


 甘い香りが、すぐそばで揺れた。


 照明が落とされ、部屋が柔らかい闇に包まれる。


 その夜、俺は夢か現か分からないまま、彼女の温もりに包まれて──


 ──翌朝。


 ベッドの隣には、俺のシャツを羽織ったクラリス嬢が、静かに寝息を立てていた。


(な、何がどうしてこうなった……?)


 頬を赤く染めたまま、俺は天井を見つめるしかなかった。


***


 クラリス嬢とのあの夜から、俺は何度も「夢だったのでは」と自分に言い聞かせようとした。


 しかし、翌朝ベッドの横で寝息を立てる彼女の姿や、俺のシャツをまとっていた記憶は──どうやっても消えてくれなかった。


 だからこそ、できるだけ普通に、仕事に集中しようと努めた。


「……ふぅ。庭の剪定も終わったし、汗かいたな……」


 午後の作業を終えた俺は、自室に戻る前に屋敷の浴場へ向かった。


 この屋敷の浴場はまるで王族の温泉のように豪華だ。大理石の床に、蒸気の立ち上る広々とした湯船。そして誰も使っていない時間帯を見計らってきたのに──


「うわっ!?」


 脱衣所で服を脱ぎ、浴室の扉を開けた瞬間。


 白い湯気の向こうで、肌の露出が明らかに多い誰かと視線が合った。


「お、あれ? レオンじゃん。奇遇だねー」


 元気な声とともに、湯船の縁に両腕を乗せてくつろいでいたのは──


「リ、リシェル……!?」


 クラリス嬢の付き人にして、活発系美少女のリシェル・クローディアだった。


 彼女はタオルを巻いただけの姿で、こちらを見てニッと笑っている。


「って、なんで普通に入ってるんだよ!」


「ん? 別にいいでしょ。私たち、家族みたいなもんじゃん?」


「いやいやいや、ちょっとは恥じらいをだな……!」


「じゃあ、私が出るまで見てる? それとも、いっしょに入っちゃう?」


 湯気の中でニヤリと笑う彼女に、俺の理性がガタガタと揺れる。


「もしかしてレオン、私のこと女として意識しちゃった? あはは、かわいー」


 このやり取りが“いつもの調子”であることは分かっている。


 だが──今日の彼女は、いつもより“近い”。


「ねえ、背中流してあげよっか」


「いや、それは……っ」


「いいじゃん、たまには甘えても。あ、でも私、結構手荒いよ? 手ってより……胸で流しちゃうかも」


「何言って──っ! や、やめろリシェル!」


 腕を引かれ、ずるりと滑って、俺は彼女の胸元に押し倒されるような格好で湯船に沈んだ。


「おっと……あはっ、レオンってば意外と積極的〜」


「ち、違っ……これは事故だ!」


 体温が上がってるのは湯気のせいだけじゃない。リシェルの肌が、呼吸が、やけに近い。


「ねえ……私も癒やしてあげようか?」


 耳元で囁かれたその声に、俺は返事をする暇もなく、湯気の中に溺れていった──。


 ──数十分後。


 髪をタオルで乾かしながら、リシェルはけろっとした顔で笑っていた。


「ふふっ、汗も疲れも全部流れたね。あれ、レオン、顔赤いよ?」


「そりゃ……あんなことされたら……っ」


「んー? なにが“あんなこと”だったのかな〜?」


 意地悪く笑うリシェルの肩越しに、俺は天井を仰ぐ。


(……この屋敷、どうなってるんだ)


 どうやら、俺の平穏な生活は──もう戻ってこないらしい。


***


 朝、目を覚ますと──


 カーテンの隙間から差し込む柔らかな陽光と、ほんのり甘い香りが鼻先をくすぐった。


「……おはよう、レオン」


 俺のベッドの横で、クラリス嬢がティーカップを手に座っていた。


「えっ、なんで……? クラリス様、俺の部屋に……」


「ふふ、昨日お疲れだったみたいだから。起こさないように、こっそり朝食を運んできたの」


 ……それはありがたいけど、なんで朝から俺のベッドサイドに?


 そして俺の寝癖を整え始めるこの手の動きは、まるで長年連れ添った夫婦のようで──


「昨晩、リシェルと一緒にお風呂に入ったそうね?」


「え、ええっ!? な、なんで知って……」


「メイドさんが見てたみたいよ。うふふ、驚かせてごめんなさいね?」


 クラリス嬢は微笑んでいた。笑ってはいたが、その瞳は妙に据わっていた。


 その日の昼、仕事の合間に彼女から差し入れが届いた。手作りの焼き菓子、紅茶、ブランケット……


 なんだか、いつも以上に過保護だ。


「レオン、疲れてない? ちゃんと休めてるかしら……」


「え、えっと……まあ、大丈夫です」


「そう……でも無理は禁物よ。私、レオンの健康を守るためにここにいるんだから」


 あれ? この屋敷の主ってクラリス嬢じゃ……?


 ──そして夜。


「お背中、お流ししますわ」


 俺が自室の机で帳簿を見ていると、クラリス嬢がやってきて、当然のように背後に立った。


「え、あの……ここ、お風呂じゃないですけど」


「ええ。でも、癒やすのに場所は関係ないでしょ?」


 そう言って、彼女は俺の肩に手を置いた。絶妙な力加減で揉みほぐされ、ふにゃりと背筋が緩む。


「……気持ちいい、ですね……」


「ふふ、よかった。あ、耳も触っていいかしら?」


 問う前に、彼女の指先が耳元に触れる。こそばゆさと快感が混ざり、思わず変な声が出そうになる。


「ふふっ……敏感なのね、レオン」


 囁くような声が近づく。


 いつの間にか、クラリス嬢は俺の膝の上に座っていた。華奢な体がぴたりと密着し、吐息が髪にかかる。


「私ね、あなたが来てくれて……本当に嬉しかったの」


「……クラリス様」


「だからね、私の全部で……レオンを包んであげたいの」


 柔らかく微笑む彼女の瞳は、まっすぐで、そしてどこか危ういほど真剣だった。


 ──その夜もまた、部屋の灯りは静かに落とされた。


 そして朝。


「ん……おはよう、レオン。起こしにきたはずなのに……私ったら、また一緒に寝ちゃったわね」


 俺のシャツを羽織ったクラリス嬢が、寝ぼけ眼で微笑んでいた。


(……なんか最近、こういうのが普通になってきてないか……?)


***


 クラリス嬢の“癒やし”に溺れた翌朝──俺は身支度を整えて廊下に出た瞬間、後悔することになった。


「レオン様! お待ちくださいませ〜!」


 小走りに駆け寄ってきたのは、屋敷付きの双子メイド、エマとエリナだった。


「本日のお召し物、襟元が曲がっております」


「髪の後ろが少し跳ねておりますよ? 整えますね〜」


「いや、大丈夫、そこまでしなくても──わっ」


 気づけば俺は、二人に両側から挟まれていた。

 柔らかな香り、ぴったり密着する身体、耳元で囁かれる声──

 この双子、悪気はまったくないのがまた厄介だ。


「エマ、レオン様のボタンがひとつ外れております」


「エリナ、それならついでにインナーも確認いたしましょう」


「ちょ、ちょっと待った! なにを確認する気なんだ!」


 わたわたしているうちに、通りがかったリシェルが目を丸くした。


「なにやってんの、アンタら」


「おはようございます、リシェル様。レオン様の身だしなみを整えていただけでございます」


「……身だしなみでシャツ脱がせるか普通?」


 リシェルがジト目で俺を見る。


「やましいことしてないよな?」


「し、してないってば!」


「じゃあ、私も混ぜて?」


「それはやましい流れだろ!?」


 その後、朝食の席でもなぜかクラリス嬢の隣が用意されていて──


「レオン、アーン♡」


「い、いえ自分で……」


「遠慮しなくていいの。ね? 口、開けて?」


 完全に給仕というより恋人ムーブである。

 対面のリシェルが頬を引きつらせていた。


「なーんか最近、クラリス様めっちゃ攻めるよなあ……」


 そしてその日の夕方。


「なあリシェル、クラリス様って、昔からあんな感じだったのか?」


 買い出し帰り、馬車の荷を下ろしながら、思わず俺は尋ねていた。


「……あー、うん。前から優しかったけど、最近ちょっと……独占欲強めというか」


「やっぱりそうなんだ……」


「てか、あんたも悪いんじゃないの? どっちにも甘い顔してさ」


「そ、そんなつもりは……」


「ふーん……ま、いっか」


 ふいにリシェルが俺の背後に回り込み、ポンと肩に手を置く。


「じゃあさ、今夜は私の番ってことで」


「へ?」


「私も……あんたに甘えたい夜、あるんだから」


 くすぐるような囁きが耳に触れた。


 そして夜──俺の部屋に、ほんのりと湯上がりの匂いをまとったリシェルが現れた。


「今日はクラリス様の目を盗んできたからさ。ほら、早くこっち来て」


 無邪気に手招く笑顔は、なぜかいつもよりずっと大人びて見えた。


***


 夜──


 リシェルが俺の部屋に現れたのは、いつものように軽いノリだった。


「今日、クラリス様に会ってないでしょ?」


「え、まあ……屋敷の中では見かけたけど、特に話は……」


「ならよかった」


 そう言ってニッと笑った彼女は、手に小さなバスケットを持っていた。


「ほら、特製マッサージセット。あんた、最近ちょっと疲れてるっしょ?」


「いや別にそこまで──」


「いいから! 今日は私が癒やしてあげる番なの!」


 強引に引き込まれて、ベッドに腰を下ろすと、彼女は真剣な顔でマッサージオイルを手に取った。


「じゃ、上脱いで。……って言っても、シャツだけね?」


「お、おう……」


 マッサージは思った以上に上手だった。

 というか、真面目にやっていることに驚いた。


「……最初はね、あんたのこと、ちょっとおもしろがってただけなんだ」


 ぽつりと、リシェルが言った。


「堅物で、女慣れしてなくて、からかうと反応が面白くてさ。けど──気づいたら、他の子に優しくしてるの見るたびに……ムカついてきて」


「……」


「バカみたいでしょ。でもね、今夜はちゃんと伝えたかった」


 リシェルは、俺の背中に手を当てたまま、そっと顔を伏せた。


「……好きだよ、レオン」


 その言葉が、いつもの軽口でも冗談でもないと、すぐに分かった。


 だから俺も、何も言わずに、手を伸ばして彼女の手を包んだ。


 しばらくして、ベッドの上。

 俺のシャツを羽織ったリシェルが、照れ隠しのように背中を向けながらぼそっと言った。


「……これ、あんたがその気にならなかったら、ただの事故だからね?」


「……その気になったから、こうなったんじゃないのか?」


「うっ……それは、まあ……いいけど……っ」


 ぼそぼそと呟くリシェルの背中に、俺はそっと布団をかけた。


 静かな夜。心地よい疲れと、まだ少し残るぬくもりのなかで──

 俺はようやく、リシェルの本当の想いに触れた気がした。


***


 朝、カーテンの隙間から差し込む光がまぶしかった。


 ゆっくりと目を開けると、俺の隣には……


「んぅ……レオン……」


 シャツ姿のリシェルが、俺の腕を枕にしてスヤスヤと眠っていた。

 彼女の小さな寝息と体温が、妙に心地いい。


(……あれ? 昨日の夜、たしかマッサージのあと……)


 ぼんやりとした記憶の中に、確かに彼女の笑顔と、泣きそうな声があった。


 そして──


「おはよう、レオン」


 もう一つ、甘く澄んだ声が響いた。

 振り返ると、そこにはクラリス嬢が立っていた。


 ……俺のシャツを着て。


「な、なんでクラリス様がここに……っ」


「ふふ、今朝は早く目が覚めたから、様子を見に来たの。そしたら……ふたりとも、気持ちよさそうに寝ていて」


 クラリスは優しく微笑みながら、ベッドの反対側に腰を下ろす。


「邪魔しちゃ悪いと思ったけど……なんだか、私も混ざりたくなっちゃって」


 軽く頬を染めたその表情は、怒っているようには見えなかった。


「リシェル、起きて。お客様が来てるわよ」


「……んー……誰……? クラリス様ぁ……!?」


 一瞬で目を覚ましたリシェルが跳ね起きる。


「ちょ、ちょっと! なんで来てるのさ!」


「ふふ、リシェルこそ……朝から大胆なのね」


「いやいやいや! これは、その……マッサージの流れでっ……!」


「ええ、何も聞いてないわ。何も、ね」


 クラリス嬢が紅茶を注ぐような優雅さで、俺の反対側に座る。


「ふたりとも、そんなに仲良しだったのね。私も嬉しいわ。ね、レオン?」


「え、あ、はい……」


 目の前には、俺のシャツを着た美少女ふたり。

 右にはリシェル。左にはクラリス。

 どちらも、微妙に笑顔の奥が読めない。


(……これ、もしかして修羅場?)


 頭を抱えたい気持ちを抑えて、俺はそっと朝食の紅茶に手を伸ばした。


 それにしても──


(シャツ、もう一枚用意しておこう……)


***


 それから数日、屋敷は妙に静かだった。


 クラリス嬢も、リシェルも、なぜか俺と距離を取っているように感じる。


(……まさか、本気で気まずくなってる……?)


 あの朝以降、ふたりの視線が交差するたびにピリッとした空気が流れるのを、俺は見て見ぬふりしかできなかった。


 そんなある日の午後。


 中庭のベンチでぼんやりしていると、クラリス嬢が紅茶を持って現れた。


「……よろしければ、ご一緒しても?」


「もちろん。むしろ、俺からお願いしたかったです」


 彼女は静かに微笑んで、俺の隣に腰を下ろした。


「……最近、避けてるみたいに見えました」


「そうね。少し、自分の気持ちを整理していたの」


 クラリスはティーカップを持ちながら、遠くを見つめる。


「レオン。あなたが屋敷に来てくれて、私は本当に嬉しかったわ。誰かに甘えることも、笑うことも、あなたのおかげで思い出せたの」


「……それは、俺もです。クラリス様がいてくれたから、ここを“居場所”だって思えた」


「だったら、お願いしてもいいかしら」


 クラリスがそっと俺の手に触れる。


「もう少しだけ……あなたの隣にいてもいい?」


「……もちろんです」


 その言葉を聞いた瞬間、彼女の瞳がうるんだ。


 そして──


「なーにしんみりしてんのさ〜」


 元気な声が割り込んできた。


 リシェルが、両手にバスケットを抱えて中庭に入ってくる。


「はいはい、ふたりだけでいい雰囲気作っちゃって。私も混ぜてよ」


 少しだけふくれっ面の彼女が、俺の反対側に腰を下ろす。


「ごめんね、レオン。私、素直になるの遅かった」


「俺も、リシェルの気持ち、ちゃんと受け止められてなかったかも」


 肩が軽く触れ合った。


「……それで? レオンはどっちが好きなの?」


「……えっ?」


 息をのんだ瞬間、ふたりの視線が俺を挟んで突き刺さる。


「べ、別に選ばなくていいけど? “両方”でもいいけど?」


「ふふっ、それなら順番は譲らないわよ?」


 そう言ってクラリスが俺の腕を取り、リシェルが逆側の腕に絡む。


「ねえ、レオン。これからも、ずっとここにいてくれる?」


「うん……ここが、俺の居場所だから」


 ほんのりと風が吹いた。


 花の香りと、ふたりの体温。

 この屋敷で、俺は確かに“癒やし手”として生きている。


 ──これは、没落貴族だった俺が見つけた、少し不思議で、甘い居場所の物語。


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

本作は「甘くてカジュアルなハーレムものを、読者の妄想が膨らむ形で楽しんでもらいたい」という想いから生まれた物語です。


貴族のお屋敷にやってきた没落貴族の少年と、彼を癒やし・甘やかし・時に翻弄するヒロインたちとの、

少し不思議で、でもどこか温かい日常──そんな空気を感じていただけていたら嬉しいです。


本編では、あえて描かなかった部分があります。

それは「ヒロインたちがなぜ主人公をそこまで想うようになったのか」という“心の始まり”です。


このテーマは、外伝としてヒロイン視点で描いていきます。


まずはクラリス、そしてリシェル。それぞれが胸の内に秘めていた感情、彼だけに見せたかった素顔を、ぜひ見届けていただければ幸いです。


それでは、またどこかでお会いしましょう──。


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