表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/78

第32話 再試験3

 再試験の結果、それは散々なものだった。

 半分以上の官吏が受からなかった。そのせいで朝廷は今大騒ぎ。


『どうしてこうなった!』


 そう言って頭を抱える元官吏たちが門の前で騒いでいるらしい。


 私はそれを耳にして心の中でドン引きした。だってそれって、思いっきり不正しては合格していたって事でしょう?

 なかには当時自分を受からせた試験官を詰る声もあり、不正に試験官が関わっていた話が噂になって出回っている。しかも、それにまつわる証拠品なども出てくる事態に。そのせいでお偉方は慌てふためき始め、口々に騒ぎ始めた。朝廷は異様な空気の満ちていた。

 因みに三十歳から四十歳で試験に落ちた人達の殆どは今の職場で立場も今までのまま。だけど針の筵状態だとか。落ちた人の中には長官クラスも多くいたらしいから現場の部下は以前ほど上官を敬っていないらしく、仕事がやりにくくなったという話だった。


「こればっかりは仕方ねぇだろ」

 

「まあねー……職を追われる事はなかったけど。それが逆に恨みを買っているみたいだわ」

 

「そりゃそうだろ。三十歳以下は問答無用で解雇されたんだ。職を奪われて生活できなくなった連中だって多いだろうさ。なのに、年齢を理由にされたらな……。追われた側からしたら恨みつらみも募るだろうよ。陛下を非難する訳にもいかねぇしな」


 確かにそうかも。

 陛下に訴えたらそれだけで罪だもの。下手したら命がない。

 

「それに悪い事でもない。ただでさえ、官吏の数が増えすぎてるからなぁ。そいつらを減らせた分だけ国の財源が増えるってもんだ」


 それも一理ある。国として考えるなら良いことなのかもね。それでもやっぱり複雑な気持ちになるのは何でかな?

 

「そんな訳だから、お前の身の安全はある程度確保できたわけだ」

 

「でも何があるかわかんないから気をつけないと」

 

「そこは大丈夫だと思うぞ。何があっても必ず俺達が守れるように準備する」

 

 ……大丈夫じゃないよね、それ。

 なんだか随分と過保護にされてるけど仕方ないことよね。これだけの事が起きてるのだもの。


 

 この数日後に、意外過ぎる客人が私を訪ねにきた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ