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孤独の果て  作者: 伽藍堂
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4.初顔合わせ(フェリア視点)

「さて、お互いの自己紹介はこんなところかしら。」


 フェリアの声に、全員が賛同を示す。

 探索カリキュラムの期間は最長で5日間であり、その期間内に目的を達成できなければ不合格となる。

 その目標とは、あるダンジョンに全員で潜り、最深部に存在するダンジョンボスの討伐である。 通常、探索がスムーズに行けば、概ね3日程度で余裕を持ってクリアできる内容となっている。

 今回の探索において、集まったパーティーメンバーの自己申告によれば、次の通りだ。


フェリア・アルジェント(F):総合職。不得意魔法は無く、補助まで含めて全般的に高いレベルで扱える。探索者協会に仮登録し、実戦経験済み。

ハリエット・ベイリー(F):総合職。補助魔法の習得が若干少ないが、基本的に全般的に扱える。

          威力よりも制度やコントロールが特異。

エッダ・ケルン(F):総合職。ハリエットやフェリアよりは僅かにラインナップで劣るものの、感知が得意。

ケネス・パークス(M):総合職。扱える魔法は概ねエッダと同等。魔法の威力を高めるのが得意。

ニコ・リヒター(M):総合職。補助魔法はあまり得意ではないが、攻撃魔法については豊富。こちらも威力を高めるのは得意。

ウェイン・ルートフォード(M):近接職。威圧の魔法と近接攻撃の併用で魔物の注意をひきつけるオーソドックスタイプ。

           自らの補助についても、基本的に他者からの補助は必要としない。こちらも探索者協会に仮登録し、実戦経験済み。


「今回はウェインが近接職だから、基本的に戦術はウェインが魔物を抑えて、他がアタッカーを務めるバランスタイプで。あと、ダンジョンに出現する魔物に関しては属性は気にする必要は無いから、攻撃魔法の選択は各自自由で問題ないでしょう。

 但し、フレンドリーファイアにだけは十分に気を付けること。」

「うん、それでいいんじゃない?」


 フェリアの宣言に対し、賛同の意を示すハリエット。他の者についても同様だ。

 もっとも、その中にウェインに対するやや侮蔑を含んだ視線があるのが、フェリアとしてはかなり気になったが。

 恐らくウェイン本人も気付いているはずだが、特に意に介した風もなくポーカーフェイスのままだ。

 その為に、迂闊に咎めることが逆にこじれる結果につながる可能性も考え、今のところは様子見することに決める。

 但し、探索中も同じような態度が続くならば、自分が修正に動かなくてはならないだろう。

 ただでさえ互いの連携に不安のある状態なのに、このような態度では事態を正確に把握出来なくなるかもしれない。

 具体的に言えば、連携がうまくいかない事態が発生し、ウェインがしっかりと役割を果たせているのに、総合職のメンバーがウェインの責任だと思い込むなどだ。

 自分たちが優秀だという思い込みは、えてして失敗の責任を他者に転嫁しやすい。その点については、公平に事態を観察することを心がけなければならないだろう。

 それが頼りないながらも、リーダーたる自分の役割の一つだ。


「他には……主にダンジョンの罠の感知、解除に関してはエッダに任せるでいいかしら?」

「「「「「異議なし。」」」」」」


 ダンジョンの中では、そのダンジョンの特性にもよるが様々な罠が存在する。

 ダンジョンの仕組みや成り立ちそのものが分かっていないことが多く、何故罠が仕掛けられるのかも不明ではある。

 しかし、今回の場合そこは重要ではなく、罠が存在するという事実と、それを無視すれば少なくない被害が出るということだ。故に、誰かが感知及び解除をしなければならない。

 これについては魔法的な仕組みがほぼ全てを占めると言ってよいので、感知が得意なエッダに任せることに全員同意のうえで決定する。


「じゃあ、今日決めることは後は探索の準備に関してかしら。」

「それは各自準備で、後は当日集合でいいんじゃないかな。準備する物もそんなに特別なものは無いし、その方がそれぞれの訓練にもなるしね。」

「賛成。」


 フェリアの言葉にニコが提案し、ハリエットが賛同する。他のメンバーも概ね、反対は無いようだ。


「だったら、今日決めることは以上で構わないかしら?

それならこれで解散として、後は当日集合という事になるけれど。」

「……それで、構わないのか?」

「?他に何かあるの?」


 フェリアの言葉に、以外にもウェインから確認の声が上がる。

 この話し合いに関しては、基本的にあまり口出ししないように見えていたので、恐らく何かあるのかもしれない。

 そして、それに対してフェリアが尋ねる前に、ハリエットが不思議そうな顔でウェインに問う。


「……まあ、皆が構わないならば、それでいいが。」


 その様子が、フェリアからすれば非常に気になった。明らかに何かが自分たちに不足していて、それをウェインが確認しようとした様に感じられたからだ。

 だが、既に解散の空気になりかけていたために、結局そのままミーティングは終了となった。

 本当は終わった後にでもウェインに確認したかったのだが、フェリア自身もこの後にいくつか予定が入っており、あまり時間の余裕が無い。

 静観を選んでしまったが、それが探索に大きく影響する事態に発展するかもしれない。

 そんな嫌な予感を覚えつつも、ひとまずはそれを振り払い次の予定の為に行動を開始する。

 だが結局、その嫌な予感は見事に的中してしまうのであった。

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