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第十七回 新・秋の七草 2
新・秋の七草の後半です。
秋最中 新たな野趣の 七草を 森 三治郎
5、鳥兜
『秋に咲く 美しき悪徳 トリカブト』
トリカブトは全草毒(花、葉、茎、根)です。特に根は猛毒です。
しかし、そのトリカブトから漢方薬の附子が作られます。
悪の中の徳かな。
6、蒲
『ガマ熟れり 白うさぎ何処 因幡路は』
ソーセージを突き刺したような、不思議な穂を付けるネギを大きくしたような形態の多年草。
穂が熟し、何かの刺激を受けるとモクモクと噴き出すように弾けます。
おもしろい生態の野草です。
7、烏瓜
『カラスウリ 夏秋冬の 貌これあり 変化の妙の 野趣これにあり』
夏の夜、五花弁の先にレースのようなヒモ状のものが付いた不思議な花が咲きます。
その時、特殊進化した蛾が飛んできて受粉させます。真夏の夜の夢のようなミステリアスな展開です。
花は一夜限りです。
秋、卵大の縞模様の丸い愛らしい実が成ります。
冬、愛らしい実は赤く熟します。




