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第2話 国都への帰還

「ちょ、ちょっと待ってくれないか?突然そんなことを言われても頭が追い付かない」

「いいよ、返事をくれるなら死ぬまで待ってあげる」


フォールノはニコニコしてそう言う。こわいよ。さて、どうするか。別に結婚してもいいんだが、その場合に親に紹介しねぇといけねぇし、何より俺は人間側だ。魔王の味方になれるのか?


「ちなみに私、次期魔王を降りて、女王の座も降りました。今はただの魔物でーす」


は?ちょいちょいちょい、やりすぎだろ。人間と魔王の戦争の真っ只中の時にそんなことするか?次期魔王がいなくなるだけで30%ぐらい戦力ダウンだそ!?下手したらそれ以上だろ。


「な、なんで次期魔王を降りたんだ?」

「あなたと結婚するからに決まってるじゃないの。それぐらいで結婚できるなら安いもんよ」

ドン、と胸を叩く。馬鹿なのかな、こいつ。と、とりあえず、

「返事を出すのは待ってくれないか?心の準備ってもんが」

「うん、いいよ」


ずいぶんあっさりだなおい。それで結婚しないなんて言ったらどうするんだよ。

「あの、とりあえず家帰って良いですか?」

「いいよー」

「ちょっと待てよ、いくら何でも軽すぎないか?何か裏が」

「ないよ?選択権はあなたにあるんだからこれぐらい普通だよ」

「これが、普通?まあ良い、とりあえず家に帰らせてくれ、あとここどこだよ」

「ここ?ここは魔王軍領地中心部だよ?」


いや、だからぁ、どんな場所に建ててんだよ。と突っ込むのは置いといて、どうやって帰ろうか。

転移(テレポート)で人間の町まで飛ばせるよ?」


エスパーかな?君。んじゃあモノノフ町まで行ける?

「いけるよー」

なんでわかんだよ!はぁ、突っ込むのも疲れてきた。さっさと報告しねぇとなぁ。

「そう言うと思って用意しております」

「あ、ああ、ありがとう」


すごすぎてもう言葉もでねぇよ。んじゃあ帰りますか。俺はフォールノの作った時空の穴を通って人間の町に帰った。

――――――――――――――――――

「うっし、戻ってきた。久々だなぁ、人類最高の都市、そして王の住む国都、モノノフ!」


俺はこの都市の中心にある、国宮殿にいるアセフ王に旅の報告をしないといけない。だけど、ほんとにエスパーなのか知らないが国宮殿の真ん前に転移しやがった。気が利いてるねぇ。とりあえず入らねぇと。門番がいるけど、顔知られてるんで通してもらえる。はぁ、長いなぁ。王座の所まで着くのに二分ぐらい走らないといけない。ちなみに俺は百メートル走四秒だから、単純計算3kmだ。長いにもほどがあるだろ。っと、そんないつでも考えてることを考えていると、


「よく戻った。さて旅の、いや敵地の偵察の結果を聞こうか」

「王よ敵地に堂々と正門から入って偵察に行ったのですが」

「もはや偵察とは言わなくないか?」

「行ったのですが、次期魔王の、アンファシ・メニケ・フォールノと退治し、不甲斐ないのですが私だけ生き残って帰って参りました」

「次期魔王の戦闘能力は?」

「多分私以上かと」

「ほう?それは『他人を殺さない』場合のお前の戦闘能力か?」

「………いえ、本気で殺害しに行っても勝てるかどうか」


「なるほど、人類最強と謳われたおぬしがかなわないとなると、それではあの作戦を実行しないとな」

「?!あれですか?!あれはまだ実験中のはず!」

「だから早急に済ませるんだよ。あの魔法を使ってな」

「っ!あれは人徳に反するもの!それをすればあなたの地位が!」

「それでも、後世に代を繋がないとな」


この人は本気だ。目がそう言ってる。

「しかし!」

「もうよいぞ、我の心配をしてくれているのは十分にわかる。しかし今この決断をしないと我らの代で人が滅ぶ、それを防ぐためなら我の命など容易いものだ」

「っ!わかりました。アセフ王、あなた様のお考えも知らず、勝手な意見を出してしまい、大変申し訳ございません」


そう言って俺は国座をあとにする。くそ、あれは本来人も、魔王軍も使うべきじゃない代物だ。あれの使用を許可してしまうとヤバイことになる。人も魔王軍も関係ない。とっとっと、そろそろ良いかな。


「聞いてるんだろ?俺を俺らの新居(?)に転移させろ」

「はいはーい、わっかりましたー」

そう聞こえると目の前に時空の穴ができた。俺も使えるようにならないとな。そう思いながら俺は穴を通った。


「ただいま」

「おかえり!少し聞きたいことあるんだけどいい?」

「俺もあるんだが、そっちからどうぞ」

フォールノは真剣な顔をして、


「あれって何?」

「アセフ王と話してたやつか?あれは『核爆弾』と言うものだ。俺とアセフ王で研究していた兵器のことだ。あれを使えばいくら強い魔王軍でも一発で壊滅まで追いやるだろう」

「へぇ、あとあの魔法って?」

「それは知識を数時間だけ超向上させる魔法だ。ただし、それを使ったものは効果がきれたら一瞬で廃人となる。それを使って核爆弾の研究を完成までするつもりなんだ」


「なるほどね、人も良いものを考えるじゃない。ところで聞きたいことって何?」

「お前、何か宗教かなんか入ってるか?」

「んーんー、そもそも魔王軍に宗教なんかないよ」

「そうか、なら大丈夫だな」

「何が?」

「俺、お前と結婚するよ」

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