2.白い球
適当に白い球を弄っていると、電子文字が出てきたり、説明が出てきたりといろいろと分かったことがあった。
まず、高校生になってまで中二病と思われるかもしれないが、僕は能力を得たらしい。それが先ほどの『半無限シールド』というやつだ。
自分を中心に厚さ5mm程度のシールドをいくつも貼れるらしい。一つ一つの強度はガラスのようなものだが、重ね合わせるとかなりの強度になる。半無限というのは強度のことかと思っている。
これなら、もし虐めにあって殴り掛かられても対応ができる。といっても暴力をしてくる人は周りにいないので使いどころはなさそうだ。
ちなみにこの白い球から離れると、能力は解除されてしまう。近くにいる必要があるようだ。
それにしても、気になったことが一つある。
それは、デメリットが存在するということだ。
白い球から出てきた電子文字の説明書を読むと、能力一つ一つにはデメリットが一つ存在するらしい。
そのデメリットはお楽しみと書かれているので、デメリットが何なのかわからなかった。
今分かることはこんなところだろうか。
それにしても、何故シールドなのだろうか。『守る』にでも反応したのだろうか。
どうしてこんなに落ち着いているんだと思われるかもしれないが、ゲームやアニメで能力系を見てきたせいで、あまり実感が沸いていない。炎や氷なら驚きに満ち溢れていただろうけど、シールドという予想外なものに驚きが現れなかった。
すこし考えすぎてしまった。
僕のお腹が同調したのか、音を立て始めた。
「買い物に出かけよう」
再び僕は近くのスーパーに買い物に向かった。
この時の僕はまだ、この白い球についてほとんど知らなかった。