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おれの名前はエレン。ある田舎町の領主の息子だ。最近17歳を迎えた訳だが、最近ある悩みを抱えている。親は健在だし、町の人達はやさしぃ。だが、退屈なんだ。そう、退屈である。退屈は人をも殺すというが実際そうだと思う。贅沢な悩みかもしれないがな。

「そうだ、町に行って散策でもするか。何か面白い物でもあればいいな」

そんな思いを抱きながら外へ出た途端何かが迫って来ていた。

「坊ちゃま!!どちらに行こうというのですか」

がっしりとした体躯に白髪のこいつは我が家の執事兼料理人のアシュット・ブロード。正直面倒な奴だ、いや嫌いじゃないがな。

「どこへって町だよ、町。退屈過ぎてこのままだとボケてしまいそうなんだ」

「でしたら私もお供致しますよ、ちょうど食材が減ってきていたので」

「いや、先日買い物に行ってたじゃないか。大量に食材を抱え込んでる姿を俺は見たぞ」

普段から冷蔵庫のチェックは欠かさないのに食材が急に減るとかありえない。どうせ危ないからとかそんな理由だろうな。ほんとに過保護なんだから、はぁ。

「如何致しましか?もしや体調がすぐれないとか、いやはやそれであれば好都合。もとい屋敷に御戻りになるのがよろしいかと」

「そんな訳あるか。おれは暇なんだ。町に行って何か面白いモノを見つけて、この刺激のない日常からおさらばするんだよ」

「はぁ、分かりました。で、あれば道中の警護は私が致しますので一緒に参りましょう」

「あからさまに溜め息つくなや、たまには付き合え」

 

で、町についてからというもの。

「おお、ブロードさんじゃないか。どうだい新しい野菜が入ったんだ買っていかないか」

「ブロードさん、今日もお買いものかい?帰りにうちの店に寄っていきなよ、新作の料理が出来たんだ。そっちのお孫さんも一緒にさ」

「おじちゃん。この前はありがとう。はい、ママがお礼にって」

なんだこれは、どういうことだ。何故領主の息子であるおれよりはるかに馴染んでいるんだ

「それはエレン様が引き籠り体質だからですよ、はっはっは」

「はっはっはじゃねぇ、心の中を読むな!てか笑うな!だいたい引き籠り体質っていうか町まで遠くて出れないんだから仕方ないだろ、それにいつもやれ町は危ないだなんだかんだといつもいつも…」

頭を抱えるおれを尻目にブロードが

「ほら最初の意気込みはどこにいったんですか。暇をつぶす為に来たのでしょう」

それはそうなのだが、いかんせん遊びなれていないおれは何も思いつかない

「なぁ、なんかないのか」

「そうですな、音楽や劇、食事といったものは興味ないのでしょう?」

「そりゃな、というか何故男同士でそんなものしなきゃならんのだ」

せっかく町まで来たのだ、どうせなら若い女性と歩きたい。こんなおっさんとではなく。

つらつら歩いていると前の方に人だかりが出来ていた。おれは近づいていって近くの奴に尋ねた

「なぁ、この騒ぎはなんなんだ」

「ん、ああ。なんでも生き倒れらしい。貴族らしくてな誰も面倒に巻き込まれたくないとのことで様子見してるのさ」

なるほど、ここでおれが助けに入れば町の連中の覚えもよくなるし何より偉い連中とのコネは大事だ。しっかり対応しなくては。人をかき分けつつ前に出て

「如何されましたかな?」

「まてまて。それおれの役目!おれのポジションだから。何話しかけようとした横から出てきてんの」

「ですが坊ちゃまは初対面の方だと上手く話せないですし、よく噛まれるし目つきも悪いじゃないですか」

「目つきの悪さは生まれつきだよ悪かったな。これでも喋る練習なんかはしてるんだぞ、夜とかたまに朗読を兄上に聴いてもらって「いつもエレンは上手だな」って言ってくれんるだからな」

「ジュノン様はただのブラコンです。当てにしてはなりませんぞ」

言い争いをしていると下の方で蠢く気配がして

「み、水。水をくれ」

と動かなくなってしまった貴族様を忘れていた。ああ、いけね

「どこか休めるとはあるか」

「この近くに宿屋がありますな」

「じゃ、そこにこいつを連れてくぞ。すっかり忘れてた訳だが助けてやらないとな」


「ええ、では一泊お願い致します」

ブロードが手続きを済ませている間にソファへと寝かせてやる。服装や持ち物から裕福そうな奴だし、謝礼とかもらえないかな、などと考えていると戻ってきたプロードが

「手続きは終わりました、屋敷の方にも今日は帰らない旨伝えましたので」

「うむ、せっかく町に来たというのに何もないまま帰れないしな。でも全然起きないなこいつ」

叩いても、ゆすっても水をぶっかけても全然起きない

「なぁどうすれば起きると思う」

「食事の用意でもすれば匂いに釣られて起きるのではないですかな」


「こ、ここは一体。わたしは」

目が覚めて辺りを見回している青年の前に料理を運ぶ

「とりあえずこれでも食べてからでどうだ」

「あなたは」と喋るこいつの手に無理やり食器を握らせた

「ありがとう」


「ごちそうさまでした」とにこやかに笑うがこちらとしては中々笑えない

「あ、ああ。なぁ普段からこんな感じなのか?」


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