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 そうですよ!

 よしおくんがいました!


「じゃあ黒ごまちゃんは戻ってね。『帰喚』」


 ぱふん


 呼び出した時と同じ、少し気の抜けた音とともに帰っていった。

 そしてディーンさん達の元へ戻る。


「あの」


「どうした?」


 打算的だけれど、この提案なら私も彼等にも利はあるでしょう。


「馬をなんとかすれば同行しても構いませんか?」


「なんとかできるのですか!?」


 そう身を乗り出したのはラモットさん。


「え、ええ。アテがありますから」


「それならもちろん同行ぐらい構いませんよ!むしろ謝礼も弾ませます!」


 え、いいのかな?


「馬がなければ、この森の中に仕入れた商品を丸々置き去りにしなければならない所でした。それくらいさせてください!」


 なるほど、大損するところでしたか。

 なら……


「じゃあお言葉に甘えさせていただきますね。あ、ついでに護衛も手伝いますよ」


「おお、それは助かるな!カエデは強いから安心だ!」


 そう言ったのはディーンさん。


「私からもお願いしますわ。よろしくお願いします」


 リアさんも賛成してくれました。

 ゼストさんも頷いてくれています。


「あ、そういえば街に入るのに身分証とか必要なんですか?放浪の旅をしていて持っていないんですよ」


 大事なことを忘れてました。

 私は異世界人なのです。

 身分証明書なんかあるわけありません。

 流れるような嘘は目を瞑ってください。


「必要ですが、街人の紹介があれば大丈夫ですよ。街には商人ギルドや冒険者ギルドがあるので、そこに登録すれば身分証代わりのものも発行してくれますよ」


「そうなんですか」


 紹介かぁ。


「カエデさんのことは私達が紹介しましょう」


「いいんですか?」


 至れり尽くせりすぎて申し訳なくなってくる。


「もちろんですとも!貴女がいなければ最悪我々は全滅していたでしょう。それに馬のアテまであるという。それくらいさせてください」


 それならありがたく受け取りましょう。


「ではそうさせていただきますね」


「はい」


「ところでよ、馬のアテってのはどうすんだ?」


 おっと、そうでした。


「『召喚』」


 ぱふん


 そこに現れたのは白毛に薄桃色のたてがみを靡かせたユニコーン。


「ヒヒン」


 鳴き声はまんまお馬さんでした。


「お、おおお」


 皆さん固まってますね。

 ユニコーンは珍しいのかな?


「こちらユニコーンのよしおくんです。この子に馬車をお願いします。いいですか?よしおくん」


(いいぜ主さん。それよりさーオレの名前もっとなんとかならなかったのか?)


 男の子だからよしおくんなんですけど、だめなんですかね?

 あと話し方軽いです。


(ま、せっかく貰った名前だし我慢するけどよ)


「ユニコーン……」


 あ、皆さんからやっと反応がありました。


「ユニコーンって、聖獣……ですよね」


 あれ、何だか、まずいかんじですか?


「ま、まぁ、とりあえず街に戻ろうぜ!よろしくな、よしお!」


 そうして私達は街に向かうのでした。

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