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菊田ひろみ

「もし、そのスキルを相手に発動した場合、相手はどうなる?」

私が死ぬつもりで川に飛び込んだ時のあれほどの苦しみを相手に与えられたとしたら、相手は死んでしまうのではないだろうか?


『相手はお前が最も憎むべき人間なのだろう?だったらこの世から消えたとしても何の問題も無いのではないのか?』


クックックと低く不気味な笑い方(さっきからだが、こいつの笑うと言う顔がよく分からない)をしながら続けた。


『そいつがどうなろうが…。いや、そついの死こそお前が最も期待してることではないのか?』


菊田ひろみ。

確かに、私はあの女の事がこの世で一番憎かった。

私が死のうと思った要因の1つに、あの女の存在もある。

だが、しかし、本当に死を望んでいるのだろうか?


『どうした?早く決めろ。…。あと言い忘れていたが、一週間以内に相手を決めないとお前が死ぬことになるぞ』


え?何それ?

そんなルールあるなら初めに言ってよ。

一週間の猶予が決められているのか…。

一週間以内に相手を決めないと私の命は無くなるか…。

そもそも、私は死のうとしていたのだから、相手を決めずにそのまま死んでしまうと言うのもアリかもしれない。


『おいおい、まさかそのまま死んでしまおうとかそんなつまらないこと考えてるんじゃないだろうな?さっきのこと忘れたのか?お前はもう一度死ぬチャンスを与えられたんだぜ』


私の中で思った、やはり死にたくないと言う気持ち。

もう一度生きようと思った気持ち。


『もう少しオレを楽しませてくれよぉ』


そして、またクックックと不気味な機械音のような音を出した。


狐のような太くて大きい尻尾をブンブンと振り続けるこの訳の分からない生物。

こんな奴を楽しませるつもりなんて毛頭無い。

だけど。

そうだ。

せっかくもらったチャンス。

死ぬなんて、あの女がいなくなってからでも遅くない。

それに…。

あの苦しみをあの女に与える絶交のチャンス。


『どうした?気分でも悪いのか?』


機械音の生物が手で顔を覆った私に問い掛けた。


クックック。さっきのコイツと同じような笑いが込み上げる。


私は笑っていた。

菊田ひろみの苦しむ姿を想像して。






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