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「説明を聞きますか?」


何となくパネルを見れば分かってしまうが、ここは説明を聞くべきだろう。

なんせこのゲームではある方法を除き、1人につき1キャラクターしか作成できず、作り直すにしても決して安くないお金を払わないといけない。

安易に作ってしまっては後悔するに違いないのだ。


「それでは説明をさせていただきます。まず[性別]についてですが、これは男か女かを決めるだけではありません。」


っと、いきなり知らない情報だ。

僕は説明を聞いて良かったと胸を撫で下ろした。


「それぞれの種族と関係性があり、現人族の場合、レベルアップ時に男だとSTRが、女だとDEXの初期ステータスに補正がかかります。あくまでも初期ステータスなのでそこまで気にする必要もないかもしれませんが……」


ふむ、成る程。

僕はこのゲームをするときに、目標と願望がそれぞれ1つあった。

目標はトッププレイヤーの1人になる事。

常に最前線で周りのプレイヤー達と新しい冒険を楽しむ。

そして願望は……その、あれだ。

厨二的発想だが両刃長剣の双剣プレイヤーである。

とあるファンタジー小説に出てくる主人公の真似をしたいだけである。

高い攻撃力と二本の剣から織り成される剣技は、当時中学生だった僕の心を鷲掴みした。

つまり『長剣の双剣使いとしてトッププレイヤーになる。』というのが理想。

その為には男キャラの方が良いだろう。

最初からそのつもりだったけど、双剣使いなら男キャラだよね。


「さて、次の説明へと行きますね」


考え事がひと段落ついた所で丁度声をかけられた。

まるで考えを読み取られたような気がして、僕は少し恥ずかしくなりながらも「どうぞ」と促す。


「それでは種族についてです。手元のタッチパネルで[種族]を触ってみてください」


ナビィに言われるがままに手元のパネルを操作する。

するとパネル内の文字が変化し、[現人族][獣人族][森人族][小人族][龍人族][天人族][魔人族][ランダム]の8つが現れた。


「この種族によってもレベルアップ時のステータス上昇に変化があります。因みにですが現人族以外の種族には、更に細かい種族訳があります」


ナビィの説明を聞きつつも試しに獣人族を触ってみる。

すると表示される文字が切り替わり、[犬人族][猫人族][狼人族][熊人族][兎人族][鼠人族][狐人族]と表示された。

それぞれの種族の下にはプラマイでステータスの表記がされてあった。


「えっと、ナビィさん。このプラマイ表記されているのがレベルアップ時の…」

「はい!その通りです!気をつけないといけないのはマイナス表記されている所ですね!獣人族はINTにマイナス表記が多いですが、狐人族はINTがプラスになってます。そのほかにも兎人族はAGIに高いプラス値がありますが、STRにマイナス表記があるなど、それぞれの種族によって特徴があるのでよく考えてキャラクターを作る必要があります!」


へぇ、結構奥が深いな…。説明を聞いてなかったらと思うとゾッとしてしまう。


「ランダムでは先程の種族以外のレア種族になる可能性もあります」


レア種族!心惹かれるワードだ!


「次に外見の説明ですが、こちらはキャラクターの髪や目の色、身長、体重などの設定をしていただきます。此方もステータスに影響を与えますので考えて設定してくださいね」


「例えばどのような感じになるのでしょうか?」


いまいちピンとこなかった為詳細を求めた。


「そうですね、髪や目の色は魔法スキルの属性に影響を与えます。赤色なら火属性といった感じです。身長や体重は初期ステータスですね。身長によりある程度体重が決まり、体重が重い方がHPやSTRが高くなり、AGIやDEXが低くなります。逆に身長が低く体重が軽い場合はAGIやDEXが高くなり、HPやSTRが低くなります」


成る程、僕がやりたいのは長剣の双剣使い。

STRもAGIも高い方が良いだろうから、悩み所だな。


「そしてステータスについてですが」


僕はパネル上のステータスに触れてみた。




ーーー

ーーー

ーーー

ーーー


HPーーー

MPーーー

STRーーー

INTーーー

VITーーー

MNDーーー

DEXーーー

AGIーーー

LUKーーー

【BP50】



「それでは説明しますね。HPはヒットポイントです。キャラクターの最大体力値を示します。MPはマジックポイントです。特定のスキルを使用する時に消費されます。STRは筋力値で、この数値が高いほど物理攻撃力があがり、装備の重量制限にも関係します。INTは攻撃魔法の威力を左右させます。高いほど魔法攻撃力が上がります。VITは防御力を示しており、攻撃によるダメージを軽減させます。また、この数値が高いと敵の攻撃を受けてもノックバックになりにくくなります。MDFは回復魔法や補助魔法の効果を高めてくれます。状態異常系のレジスト率にも関わっています。DEXは器用さです。アイテムの生産の成功率上昇やクリティカル率の上昇、遠距離攻撃の攻撃力ともなります。AGIは俊敏さ、動きの速度ですね。跳躍力なんかも上昇します。LUKは幸運値です。アイテムのドロップ率が上昇したり状態異常をレジストしたり、生産においても幸運が訪れるかも?です。BPはボーナスポイントです。ステータスに振り分ける事が出来、レベルアップなど幾つかの方法で手に入ります」


ふぅ、とナビィさんが一息ついた。

いやぁすごいマシンガントークだった。

殆ど今までのゲーム通りの設定だったから問題なかったけど、初心者だと聞き逃しちゃうんじゃないかな?


「ナビィさん質問良いかな?」


「はい、どうぞ」


今の説明を聞いて疑問に感じた事があった為、素直に彼女に聞いてみる。


「命中率や回避率が関係するのはDEXやAGIでいいのかな?」


その質問にたいし、彼女は「いい質問ですね」と微笑んだ。


「優希さまこの世界はゲームでは無く、もう一つの新しい世界をコンセプトにして作られました。現実世界において攻撃が勝手に当たる何て事があるでしょうか?敵の攻撃が勝手に避けていく何て事があるでしょうか?」


……成る程、つまり


「プレイヤースキルって事?」


「その通りです。ですが、AGIをあげて動きが速くなれば敵の攻撃も避けやすくなると思いますよ?」



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