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第4話

「先手はやる。かかってこい!」


クリストファーは余裕の笑みを浮かべ挑発した。


「その余裕、すぐに奪ってあげますよ。ムラサメ流刀術初伝一ノ型『春疾風』!」


レンは切っ先をクリストファーへと向けると尋常ではないスピードで突っ込んだ。


クリストファーはほぼ動くことなく、その剣を受けた。


「ほう、刀を使うのか。俺が若いころの先輩と同じ武器を使うのか。」


「くっ!!」


レンは技を受け止められてから一度距離をあけてから、再度打ち込み続けた。


しかし、クリストファーは一歩も動くことなく受けた。



「おいおい、こんなものか?打ち込みにも無駄があるし、固有能力だって使ってないだろ。」


クリストファーが呆れた声で告げた。


レンは深呼吸して心を落ち着かせた。


そして一度目を閉じてから大きく見開いた。



「わかった。少し本気で行きます。アウェイク!断ち切れ《紫雲》!」


レンの言霊と共に右手にもう一本の刀が握られた。



「ムラサメ流二刀術四ノ構『枝垂桜』。」


レンは左手の刀の切っ先を肩に当て右手の刀を地面へ向けて垂れ下げた。


目にも先ほどとは異なり強い殺気が込められていた。





「二刀使いか。どうりで打ち込みが甘いわけだ。いざいくぞ!」


今まで一歩も動くことがなかったクリストファーがレンへと打ち込んできた。


しかしレンは臆することなく一歩前に踏み込み、《グラム》を受け流した。



そして二刀を両肩に一刀ずつ乗せた。


「ムラサメ流刀術中伝三ノ型『獅子点牙』!」


二刀を同時クリストファー目掛けて振り下ろした。


「くっ!!?」


クリストファーは受け流された剣を地面へ突き刺し、それを軸にし空中に飛び回避した。


レンはかわされたことを驚きながらもさらに詰め寄った。


レンが打ち込み、クリストファーが凌ぐ。


その後はそのような展開が続いた。



「貴公、できるな、、、褒美だ。とっておきを見せてやる。」


クリストファーは一度グラムを地面に突き刺すと右手を胸の前にかざした。



その動きをみると周りの騎士団員たちが驚きをあらわにし、せわしなく動き始めた。


「我が血と肉の契約に従い、我が元へと出でよ。聖なる象徴にして天空を駆ける翔馬よ!『ペガサス』!」


言霊と共にクリストファーの隣に白銀に煌めく光が現れた。


光が消えるとそこには純白の体に翼を宿した馬、ペガサスが現れた。



「これがペガサス、、、。」


レンもペガサスの神々しさに息を呑んだ。


しかしすぐに戦闘態勢へと戻った。


「この一撃で最後だ。」


クリストファーはそういうと《グラム》を上段に構えた。


それと同時にペガサスも輝き始めた。



「いくぞ!『天空馬飛翔斬』。」


クリストファーが剣を振り下ろすと光の斬撃がレンへと飛ばされた。



「これだけ派手にやってくれたらバレないかな。」


レンはボソリと言うと二刀を腰の鞘に差した。


「✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎」


レンは誰にも聞こえない声で囁くと二刀を振り出した。




ドカーーーーーン!!



2人の斬撃がぶつかると強い衝撃波と砂埃が巻き上がった。




砂埃が晴れると両者ともに武器を振り切った状態で静止していた。



周りの人たちは何が起こったのか理解できずにいた。



「よし、ここまでだな。これだけの実力があれば誰も合格に依存はあるまい。」


クリストファーはそう言って《グラム》をしまった。



審判も入団希望者も誰1人として異論を出す者などおらず、クリストファーも元いた位置へと戻っていった。



レンも二刀をしまい演習場をあとにした。






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