未来がみえる 前編
なんか、短い気がします…
光が差し込まない暗い部屋。
お馴染みの女の子が一人。
床に転がり、クレヨンの箱を開けていた。
「んー…次はぁ…」
「未来予知…とか…」
突然、後ろの扉から声がしてキーファーは驚き飛び起きる。声がしたほうに目をやると、そこには大きなメガホンを持った男の子がいた。
「すみません。フライングしちゃいました」
ダリは頭を掻きながら少し頭を下げる。
「はやすぎるわー。せっかちだな。でも、未来予知…いいね」
キーファーがダリに微笑むと、ダリはとても嬉しそうにした。それを見てキーファーはクレヨンを取り出すと、紙に絵を描きはじめる。
ー…描き終わり、その紙をダリに渡す。
藍色の髪をして、リーリーのように片目が隠れた少年が描かれている。隣には汚い字で『みらいよち』と描かれていた。
「そいつはクレー。もともとの能力持ちなんだ。さらに、能力かさねられて可哀想だねぇ…見たくない未来まで見えちゃうんだろうな」
キーファーがくくくと笑うとダリはメガホンを握り直す。そして窓までひきずっていくと、窓の縁に手をあてた。
「いってきます、」
そう言って振り返ったダリはどこか楽しそうにみえる。メガホンを担ぎ、ダリは窓から飛び出した。
「いってらっしゃい。…クレヨン、だいぶ小さくなったなぁ」