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人形劇の準備
結構、短い
白い肌の女の子、キーファーはクレヨンを持つと、片目が隠れた少女、リーリー・ド・ヴァレに目を向けた。そして、スケッチブックに絵を描き始める。
「まず、その人物に“能力”を与える者が必要だよね。」
リーリーがスケッチブックに目をやると、そこには大きなメガホンをもつ背の小さな男の子が描かれていた。
キーファーはそれに手をあて、なにやらブツブツと唱えだす。すると、スケッチブックからその男の子が現れた。
「おはよう。ダリ・アビリタ」
キーファーがそう男の子に言うと、男の子は深々とお辞儀をする。
「君の能力はその名前の通り、“能力を与える”だ。僕が呼んだら逸何時でも僕のもとにくること。」
ダリは考えるように顎に手をあて、やがて口を開いた。
「お風呂中、御手洗い中…でも、ですか?」
リーリーが苦笑すると、キーファーは頬を膨らませ眉を寄せる。
「そん時は…はやく済ませてから来い」
了解と言うようにダリは軽く会釈をしてその部屋を後にした。
「さて…次の“能力”は何にしよう」




