第2幕: 高校1年生の春──紅白戦終了 1年生のそれぞれの課題①
4番松岡の犠牲フライでついに1年生チームは反撃のムードとなったが、
その後、後続の打者は続かず、3アウト。
2軍チームもその後は井上を打つ崩すこともなく、最終的に試合は11-1のまま終わった。
「試合終了――!」
審判の声が響くと同時に、両チームの選手が整列する。
1年生チームの選手たちは、全員が疲労の色を浮かべていた。
監督がマウンド付近に立ち、全員を見渡す。
「今日はこれで終わりだ。1年生は、いきなりの実戦で大変だったな。2軍の選手もお疲れさん。」
少し間を置いて、監督は続ける。
「それぞれ、課題が見えた部分もあると思う。よく考えておけ。」
「そして、GWには最後の夏の大会前の合宿を行う。そこでは、今まで以上の厳しい練習が待っている。しっかり準備しておけ。」
監督の言葉に、1年生たちはピリッとした空気を感じる。
「では解散。」
選手たちが散り始める中、監督がふと声を上げる。
「……1年生は、ちょっと残れ。」
その一言に、1年生たちは足を止めた。
「個別に話をする。順番に呼ぶから、準備しておけ。」
こうして、1年生たちはそれぞれ監督に呼ばれ、個別に課題を指摘されることとなった。




