第2幕: 高校1年生の春──紅白戦 1年生最後の反撃④
1アウト一・三塁。
この試合、1年生チームにとって最大の得点機が訪れた。
打席には、4番・松岡竜之介。
(ここで俺が打たなきゃ……誰が打つんだ!)
試合を通して、1年生チームの打線は沈黙していた。
それでも、千堂陸のヒットと高橋拓海の執念のヘッドスライディングで掴んだチャンス。
このチャンスを無駄にするわけにはいかない。
「プレイ!」
投手はセットポジションに入り、静かに足を上げる。
(ストレートか……?)
初球――内角高めのストレート!
「ブンッ!!」
松岡、豪快にフルスイング――しかし、空振り!
「ストライク!」
(ちっ……焦るな、俺!)
バットを強く握り直し、松岡は自分の気持ちを整えた。
(とにかく強く打とうとしすぎてる……しっかりミートすれば、十分外野には飛ばせる)
「バッター集中!」
キャッチャーが声をかける中、投手がゆっくりとモーションに入る。
2球目――真ん中やや外寄りのストレート!
今度は振り抜く。だが、力みすぎない。
「カキーンッ!」
打球は大きく舞い上がる――センター方向!
(頼む……!)
「センター下がる!」
2年生チームのセンターがフェンスの前で構え、グラブを伸ばす。
「キャッチ!」
アウト――だが、これで終わりではない!




