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第2幕: 高校1年生の春──紅白戦 1年生最後の反撃②
「ここは確実に走者を進める!」
2番・佐藤悠真が送りバントの構えを見せる。
千堂は大きくリードを取り、投手がセットポジションに入る。
初球、外角に変化球が外れる。
「ボール!」
2球目、ど真ん中のストレート。
(ここだ!)
佐藤はしっかりと球を転がす。
「コツン!」
ボールはピッチャー前へ、理想的なバント!
「よし、千堂走れ!」
投手が素早く処理し、一塁へ送球。
「アウト!」
しかし、その間に千堂陸は悠々と二塁へ進塁。
(これで、確実に得点圏だ……!)
1アウト二塁、打席には3番・高橋拓海。
(今度こそ……!)
前の打席では「打てる球を見逃し、難しい球に手を出した」ことを後悔した高橋。
この打席では、最初から「打つべき球」を狙っていた。
初球、外角低めのストレート。
(これは……まだ待つ!)
見送り、「ボール!」
2球目、真ん中やや低めのストレート。
(ここだ!)
高橋はフルスイング――
「カキンッ!」
打球は二遊間へ!
(抜ける!)
そう思った瞬間――




