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第2幕: 高校1年生の春──紅白戦 秘蔵っ子井上の課題とは⑦
高田のホームランで勢いがつき、ベンチも「続け!」というムードになっている。
(高田が打てたなら、俺も!)
1球目、外角ストレート。見送る。
「ストライク!」
(狙いは真ん中か、内角……)
2球目、インコース低めのストレート。
「カンッ!」
打球は詰まりながらも、一塁線に鋭く転がる――
「ファウル!」
カウント0-2。
(……まだストレートで押し切れるか?)
田中智也がサインを出し、井上は3球目にもう一度ストレートを選択。
「カキンッ!」
打球は高く舞い上がり、レフト方向へ。
しかし、そこまで伸びない。
「レフト、下がる! よし、取れる!」
レフトフライ、アウト!
井上、しっかりと4番打者を打ち取る。
2アウト
(さすがに、もうストレートばかりは危険だ)
井上はここで、試合では初めて変化球を使う決断をする。
1球目、アウトコース低めのカーブ。
「ボール!」
(やっぱり見極められるか……)
2球目、ストレート。強振されたが――
「カンッ!」
初めての変化球がきたことで、ストレートに詰まらされセカンドゴロ!
高橋拓海が素早く動き、落ち着いて一塁へ送球。
「アウト!」
スリーアウトチェンジ!




