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第2幕: 高校1年生の春──紅白戦 秘蔵っ子井上の課題とは②
4回表
1年生打者の打順は5番から。
しかし――
結果は、あっさり三者凡退。
5番打者は初球のストレートを打ち損じ、ピッチャーゴロ。
6番打者は追い込まれた後、落ちる球に手を出し、空振り三振。
7番打者も、内角の直球を詰まらされ、ショートゴロ。
「チェンジ!」
4回裏
2軍チームの8番打者がバットを強く握り、打席に立つ。
(そろそろ合わせられるはずだ)
1球目、外角高めのストレート。
「ストライク!」
見逃し。
(……なんか、さっきより伸びて見えた?)
2球目、内角寄りのストレート。打ちに行く。
「カキンッ!」
しかし、打球は浅いショートフライ。
千堂陸が軽快に前進し、余裕をもってキャッチ。
「ワンアウト!」
(井上の球、遅いって言われてるけど……なんでこんなに詰まるんだ?)
続く9番打者。初球から積極的に狙いに行くが――
「カンッ!」
ショートライナー。
千堂陸が軽快にジャンプし、難なくキャッチ。
ツーアウト。
2年生ベンチがざわつく。
「……なんでこんなに詰まるんだよ?」




