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スラッガーにはなれないけど  作者: 世志軒
第1部 第2幕: 高校1年生の春

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10/229

第2幕: 高校1年生の春──紅白戦開始④

1回表


紅白戦が始まり、先攻チームの一番打者・千堂陸がバッターボックスへ向かう。


(技巧派の石上先輩か…面白そうだ)


対する石上直人は、冷静な表情でサインを確認すると、ゆったりとしたモーションから初球を投じた。


――アウトローのストレート、ストライク!


「(まずは様子見…か)」


石上は続けて2球目、得意のスクリューを外角へ沈める。

陸はボールと判断し見送り、カウント1-1。


3球目――

今度はインコース高めへのストレート!


千堂は反応するも、バットを止める。

審判のコールは「ストライク!」


カウント1-2と追い込まれる。


しかし、ここからが千堂の真骨頂だった。


4球目――低めのスライダー。

千堂はコンパクトにバットを出し、ファウル。


5球目――再びスクリュー!

落ちる球に食らいつき、これもファウル。


「(簡単には三振しないぞ)」


石上は小さく息を吐く。(しぶといな…)


6球目――ストレート、アウトロー。

ファウル!


7球目――カーブ、低め。

「ボール!」


カウントは2-2。石上の表情が少し険しくなる。


8球目――再びスクリュー。

千堂はまたしてもファウルで粘る。


そして9球目。


「(そろそろ焦れてくる頃だ)」


石上は内角を攻めようとするが、微妙に抜けてしまう。


「ボール、フォア!」


審判のコールが響く。


「よしっ!」


陸は一塁へ駆け出し、ベンチからも拍手が起こる。

先頭打者としての役割を果たし、出塁に成功した。


石上は帽子のつばに手をかけ、苦笑しながら千堂を見送る。


(粘られたな…さすが、しぶとい)

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