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孤高の剣鬼やめます。転生したのでまずは学園で友達作りから〜ぼっち剣士、転生して次こそ最強を目指す〜  作者: 猫額とまり


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第47話 一夜が明けて


(一人称視点)



 長い長い一日が終わり、俺を取り巻く環境は大きく変化していた。


 まず、学園を襲撃した犯人について。

 【蟻の巣(アントネスト)】という、外国からきた傭兵団が主犯だったそうだ。

 その筋では悪名高いらしく、あのイードゥという男が首魁だったらしい。

 魔物を生み出したのもやはり彼らの仕業で、王国内で複数の別事件を起こして陽動まで行っていたそうだ。

 通りで騎士団の到着が遅いと思った。陽動していたメンバーはフィレムが全滅させたそうだが。

 トップを失い主要メンバーの殆どが捕えられたことで、傭兵団としての維持は不可能になったそうだ。事実上の壊滅ということになる。


 そしてその傭兵達を手引きしていたのがなんとこの国の公爵、レオルド・ユーウェインという男だったらしい。

 あのフィレムの父親であり、何年も前から【蟻の巣】と結託して様々な悪事を働いていたそうだ。

 だが彼女はそれを見破ったのだろうか、事件の日にクーデターを起こし、見事父親を打破して当主の座に就いたのだという。

 殆どの悪事の証拠は隠滅されていたようだが、彼女の働きでレオルドの多くの悪行が明るみに出た。彼は爵位を取りあげられ騎士団に捕まったそうだ。リリを襲ったのもこの男の仕業だったそうだし、正直胸がスッとしている。


 学園の方にも、怪我人や施設の損壊等はあったが、大きな被害はなかったらしい。

 こちらの都合に巻き込んでしまったような形だから、死者は出なかったと聞いて心底安心した。

 しかし流石に復旧までには時間がかかるらしく、しばらく学園は休校となった。

 施設の修復もあるが、ユーウェイン家のスキャンダルで貴族の力関係が大きく崩れたらしい。その調整の兼ね合いもあるのだろう。俺に貴族社会のことはよくわからんが。



 そして、リリとフィレムの現状について。

 頂点を決める二人の壮絶な決闘が終わり、あの後仲良く病院に運ばれた。

 先生たちが万が一に備え回復薬を持ってきてくれていたお陰で、後遺症などもなくすぐ退院できるそうだ。

 リリの一件でも思ったが、やはり回復薬というのは凄いな。聖杯教会という所が作っているそうだが、機会があれば少し調べてみようか。


 フィレムは、正直今後どうなるかはわからない。

 彼女は父親の犯罪に加担していた訳ではないだろうし、事件解決の功労者として(ねぎら)われるべきなのだろうが……いかんせん、ユーウェイン家が隠していた闇が大きすぎる。

 即座にお家取り壊し、とまではならなかったようだが、これまで通り公爵としての威光を振るうことはできないだろう。学園のユーウェイン派閥も実質崩壊だ。

 ……とはいえ、俺が心配することではないだろう。これはフィレムが解決するべき問題なのだろうし、何より彼女は強い。この程度の逆境、簡単に乗り越えてみせるだろう。

 無論、助力を求められれば応じるつもりだ。剣士として、俺も彼女とは末長く付き合っていきたいからな。



 ……事件に関しては、大体こんな所だろうか。

 王都にきて間違いなく一番の、激動の一日であった。

 俺も【極点:弐式】を解禁するとは思っていなかったし、反動で全身ボロボロだ。

 なんならリリやフィレムよりも重症だったらしい。未熟な肉体で無理やり発動したのだから当然だろうが。


 それと、魔剣クラレントについてだが……結論としては、王国が買い取ってくれることになった。

 世界中に散らばる百本の魔剣クラレント。なんでも王国はそれを集めたがっているらしい。

 後日正式に受け取りにくるということなので、それまではルフォス学園長に厳重保管してもらっている。あの人ならば信用できるだろう。



「……そろそろ焼けたかな」



 ぼーっと焚き火を見つめながら事件を思い返していると、肉の焼ける香ばしい香りが漂ってきた。

 言うまでもなく、俺がさっき狩った魔物の肉である。

 昨日の戦いでは魔物肉の取り込みが足りなかったせいで、大きな反動を受ける羽目になってしまったのだ。

 なのでこの休校期間を活かして、山籠りをしつつ魔物を食いまくろうと考えた次第だ。どんな武術においても体づくりは基本だからな。病院? 抜け出してきた。

 全盛の肉体へと近づき、学園が再開する頃には俺はまた一段と強くなっているだろう。

 あの二人に追い抜かれないよう、俺も気を引き締めなければな。



「一人で修行するのは久しぶりな気がするな……最近はいつもリリがいてくれたからな」



 一抹の寂しさを覚えつつも、俺は(たお)したドラゴンの肉に(かぶ)り付いた。

 ひとまずの目標は、常時弐式を発動できるようにする事だな。あの青年、アーサーと戦った時の全盛期には程遠いが、一歩ずつ確実に進んでいこう。

 剣の頂への道のりは、まだまだ長いのだから。






「病み上がりの所を呼び出して申し訳ない。フィレム・ユーウェイン」



 生徒達のいない、静寂に包まれた校舎。

 その学長室にて、ルフォス・ガラハッドとフィレム・ユーウェインは静かに相対していた。



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