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さくら  作者: 雨世界
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 わたしは高校を卒業して、大学生になった。大学生になったわたしは四年間だけ東京で一人暮らしをすることになった。大学を卒業したら今の中学校のときからずっと付き合っている彼氏と結婚をして田舎の町で仕事をするつもりだった。わたしはさくらに二年と半年くらい遅れて東京で生活をすることになった。東京で暮らすようになって、わたしは久しぶりにさくらのことを思い出した。さくら。いまごろなにをしているんだろう? 久しぶりに連絡をとってみようかな? と思った。でも、やっぱりできなかった。どうしてだろう? わたしとさくらは一生の友達じゃなかったの? とわたしは思った。わたしは結局さくらに連絡をすることができなかった。今のさくらはきっともう、わたしの知っているさくらではないのだと思ったからだ。だからわたしはさくらに会おうとしなかった。高校一年生のころに、さくらとさようならをしたときはあんなにさくらに会いたかったのに。

 わたしは思っているよりもずっとつめたい人間なのかな? とそんなことを引越しをしたばかりの荷物の散らかっているアパートの中で、わたしは夜に空に輝く綺麗な月を見ながら思った。(思わず、わたしは感情があふれて、そのひとりぼっちの夜の中で泣いてしまった)

 わたしがさくらと再会をしたのは、本当に偶然だった。わたしはさくらに連絡をしなかったし、さくらもわたしに連絡をしてくることはなかった。だからわたしとさくらはこのままずっと離れ離れのままで、二度と会うことはないのだと思った。(誰かの結婚式とかそういうなにかの出会いの場にもさくらはこないと思った)わたしは大学の授業にでるために電車にのってまだまだなれない都会のひとの波の中で危なくおぼれそうになりながら、電車を降りて、急ぎ足で駅を出て、大学までの道を歩いていた。その道の途中でわたしは一人のとっても綺麗な女性とすれ違った。その瞬間、わたしは歩くことをやめて、そして、その綺麗な女性も道の途中で立ち止まった。

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