第4話 臨結晶
巨大な画面で世界地図を見る。
世界の半分を未開の地が占め、残りの半分に人族や魔族などの生活圏が広がっている。
文化のレベルはまちまちで、高度な技術を持つ国もあれば中世的な国や原始的な国もある。その原因は魔物や魔獣の存在と魔素や特殊な地場などによる電波障害で、それらが流通と情報伝達の大きな阻害となっている。とくに海を渡るのが非常に困難らしく、大陸間での差が大きい。
「飛行機はないのかな」
「ございますが、目立つので魔物などに襲われやすく、飛行出来ない者にとっては大変危険ですので一般化はされていません」
思わず出た独り言にアイが後ろから教えてくれた。
「そんなに気に入ったの?」
アイはまだ人形に入っている。
「居心地良いんですよね。魔力も切れませんし」
「まだ切れてないの!?」
「はい。どうやら暖人様から常時供給が行われているようで」
「えっ!?」
思わずアイとの間に手刀してしまった。
「それは意味がないかと」
だよね。
「一応お伝え致しますが、暖人様の魔力量からすれば微々たる量ですし、供給量より回復量の方が遥かに勝っておりますので、お気になされる必要はないかと」
だからこのままで良いと。
「むしろこのままの状態で居させて下さい」
本人が望むのであれば別に問題はない。
で、良いのだろうか。
「アイの人工知能のチップって無限に複製できるの?」
AI戦争系の映画が思い浮かんでしまった。
「可能です。ただし私レベルのチップとなりますと特殊な素材が必要となりますので、実際には無限に複製することは不可能かと」
「特殊な素材って?」
「【臨結晶】です」
臨結晶とは超高エネルギーの爆発または衝突により空間が断裂し、その修復過程での副産物として生成されると言われている結晶であり、発見されることはほぼ無く、超希少品らしい。
「あといくつあるの?」
「チップは4基、臨結晶は10キログラム程残っています」
「結構残ってるよね?」
「私からすれば残り僅かです。ぜひ補充をよろしくお願い致します」
深々と頭を下げられた。
人工知能の暴走は怖いけど人形を作らなければ大丈夫だろうから、冒険の目的にするのはありかな。
この施設の前所有者の人がどこから調達してきたのか記録が残っていればいいけど。
ところで。
「あの人達は何してるの?」
部屋の隅で並んで待機? している人形達を指差す。
視界の端にずっといて気になっていた。
巨鳥は小鳥になってスライムに止まっている。小さくなれるようだ。
「改良版の魔力付与待ちです」
しません。
怖過ぎます。
特にスライムには絶対。
スライムはかわいいだけでいい。




