あとがき/付録
ロバート・E・ハワードの『ハイボリア時代』みたいな疑似歴史と共に
ラヴクラフトの『海底神殿』と『インスマスの影』を混ぜて
主人公は、嫌悪していた異人種と共に海に旅立つ
…みたいなモノを書きたかった
『ハイボリア時代』では人間が退化して猿同然になる!
みたいな表現が出てくるんだけど
これは当時の科学ではそう信じられていたのか
それとも単にフィクションだからなのか長年、気になってます
『ヴィネア人』
神祖アルスの末裔、最初の人類。
10万年前、6万年前、2万年前の大絶滅を免れた。
そう、信じられている。
2万年前に黄金大陸を襲った大洪水でオースと同じく大半が絶滅。
嵐の国にイルニュス人が奴隷として連れ去った一団が生き残ったと信じられているが実際は、風土病で滅んでいる。
『ボボ人』
コボ人あるいは、ボ人。
嵐の国の原住民だったが渡来人であるイルニュスの侵寇を受け、奴隷となった。
その後、イルニュスに連れて来られたヴィネア人と混血、同化していった。
そう信じられているが実際は、ヴィネア人の血を引く者は、風土病で絶滅し、現在まで生き残っていない。
つまり現在のヴィネア人を名乗る民族は、かつてのボボ人である。
(このためヴィネア人でアルスの血を引く者と信じられているのは、マウザボリア人との混血人種である)
(ただしマウザボリア人は、本物のヴィネア人と接触したことなどないためアルスの血は、全く入っていない)
(現在のヴィネア人が持つ遺伝的特徴は、マウザボリア人に由来する)
正確な時期は不明だが嵐の国から黄金大陸に帰還して大ヴィネア帝国を築き、自分たちを一等人種と位置付けた。
『オース人』
双頭の蛇、サタ・ハッスール神の血を継ぐ民族。
ヴィネア人の祖であるアルスの宿敵サタの子孫と信じられた。
銀色の髪、紫色の瞳、チョコレート色の肌に長身の特徴を持つ。
黄金の太陽帝国を建設したが2万年前の大洪水で滅亡する。
『イルニュス人』
神の血を引く人種とされたが具体的にどんな始祖を持っていたのかは分からない。
全身に毛が生えており、かなり他の人類と姿が違う。
10万年前の大災害で数を減らした他の人類を圧迫するように進出し、文明を築く。
しかし6万年前の大変動で嵐の国に定住していた者以外は、全滅する。
この時、嵐の国に移住していた他の人類は、外界に広がっていった。
(ヴィネアは奴隷として連れ去られたと信じているが実際は、様々なケースがあったらしい)
しかし彼らだけは、複雑な海流と砂漠に囲まれた嵐の国が外界から病が持ち込まれない安全な土地と考え留まった。
以降、嵐の国から出ることなく現在まで生きながらえて来た。
過去に地球上に23の人類が発生し、特定の病で絶滅に至ったと考えている。
作中の時代では、かなり人口を減らし、滅びの途を歩んでいた。
優れた遺伝子治療技術を持ちながら自分たち以外の種を保存すること以外には、使用することを禁止した。
彼らは、理解していたからである。
種を美術品のように保存することが不自然な行為であり、自分たちは、魚として次のステージに進み、姿を消す運命にあることを。
『トゥーレ人』
外宇宙からグリュヴォの上位者が太陽系に連れてきた奉仕種族。
あるいは、シヴニヴィナスか黒い手の神の血を引くとされる人種。
真偽不明だが大きく他の人類と異なる系図を辿った種だったらしい。
オース、ヴィネア、イルニュスが大陸を去ると彼らに代わって繁栄する。
しかし現行の歴史が始まるまでに”トゥーレの死”という病気の蔓延で数を減らし、マウザボリア人によって滅ぼされた。
『グリュヴォの上位者』
宇宙猫、食屍鬼の神バステト。
人間並みの知能と恒星間移動を可能にする超能力を持つ。
この猫たちを自分たちの主人だとトゥーレ人自身は、信じていた。
『マウザボリア人』
ヴィネア、オース、トゥーレ、イルニュス以外の民族で神々の血を引いていない人種を指す。
古代人によって進化の度合いが遅れた蛮族と位置付けられ、北辺に追いやられた。
トゥーレ人が絶滅すると約5千年間、黄金大陸を席巻したが復活した大ヴィネア帝国によって滅んだ。
実は、ヴィネア人の軍隊ではなく彼らが嵐の国から持ち返った病によって絶滅に至っている。
『イアル人』
あるいは、アアル人。
とりわけ他の人類と体構造が異なり、人間に発声できない声を出せる。
また光り輝く黄金の髪、煌めく青い瞳、真っ白な肌を持つ。
環境の変化、伝染病から逃れて南極に移住し、次第に猿同然に退化した。
草木も育たぬ山岳地の洞穴で暮らしている。
ヴィネア人より古い種族だが最初の人類ではない。
アアル人が衰退したために彼らより前の歴史は、失われてしまった。
しかしアアル人が最初に地上に繁栄した種ではないことは、おぼろげに伝わっている。
『コナ人』
実は、ヴィネアより古い人種。
アアル人に代わって、やはり地球全土を占める国家を樹立したが環境の変化で衰退する。
イルニュスやアアルと違い、人種絶滅に至る病を克服する術を得るに至って―――病死しない。
しかし同時に精神的な堕落を受け入れた。
すなわち種族保存のため、どんな病気にもかからない身体に改良した時、遺伝的に脳や精神に異常性を発現する因子を組み込んだ。
これは、彼らが望んだことであり、その動機は、我々には理解できない。
『イェナシカ人』
コナと同時期に地上に繁栄した古い人種だが地球外から連れて来られた人類。
数万年の後、彼らを地球に連れて来た旧支配者の衰退に伴い徐々に人口を減らす。
もともと地球の環境に合わないこともあって病気によって絶滅した。
『イデゴモス人』
”日ノ元の民”の異称。
マウザボリア人の一派で東洋に分布する。
伝説の地名に由来し、イルデゴモア、イデゴンなど名称にゆれがある。