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可愛すぎる。

今日の授業が終わった、と言ってもまだ入学2日目。

自己紹介や説明がほとんどで勉強はしてないけどな。

帰ろうと思って立ち上がろうとした途端、優木さんが指でツンツンとオレの肩つついた。


「ねぇ、澤谷さんって東中だから私と帰る道一緒だよね? 良ければ一緒に帰らない?」


「え、優木さん東中だったの?」


マジかよ、こんな可愛い子がいたら普通気づくよな、それともぼっちだったから気づかなかっただけかもしれない。

ぼっちの情報網は狭いからな。


「そうだよ、クラス一緒になったことは無かったから分からなくて当然だよね」


「確かにそうだな」


「で、一緒に帰っていい? 澤谷さんも電車通でしょ?」


「そうだけど…」


どうしよう…これ、完全に友達みたいになってね?


だが断るとまた傷つけるかもだしなァ…

オレも高校生だ、前よりはそんなコロッと好きになるようなことは無いだろう。


でも、見た目はめっちゃタイプだし、中身も可愛くて十分魅力的、友達でいられるか不安だ。

きっと優木さんは同性愛者では無いだろう。

このままずっと一緒にいたらまた傷つくことになるに決まっている、そんなのはもう嫌だ。

でも、それ以上にこの子を傷つけるのはもっと嫌だ。


「仕方ねェ、一緒に帰ってやるよ」


「やったぁ〜! アキちゃんやっさしぃ〜」


「おい、突然下の名前で呼ぶな!」


「いいじゃん、もう友達でしょっ?」


「どうだろうなァ、優木チャン」


「そこは下の名前じゃないの?!」



駅に着いたオレらは電車に乗り、隣に座った。

というより優木チャンが俺の隣に座ってきた。

優木チャンは機嫌がいいのかニッコニコしている。


「なんか楽しいね〜」


「電車の椅子に座ってるだけだろ、何が楽しいんだよ」


「なんとなくだよ」


「なんとなくってなんだよ…」


「アキちゃんと一緒に帰ってるからかな〜」


優木チャンはえへへと照れくさそうに笑った。


その笑顔ずるいんだよなァ。


オレがチョロいからうっかり惚れてしまいそうになるだけかもしれないが、そのくらいの破壊力がある。

この子となら仲良くなってもいいかなと思いつつも、これからも一緒にいるには恋愛感情は捨てなければいけない。

オレはあの時とは違う、もう高校生だ。

絶対この子に惚れたりなんかしないからな!!

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