プロローグ
少し修正しました。
いつからだっただろう、オレは女だが女の子が好きだった。
お洒落やメイク、イケメン俳優だのアイドルには興味はなく、よく男っぽいと言われた。
『オレ』と言っているのは別に男になりたいからとかそういうのでは無い。
兄の影響で自分のことを3歳まで男だと思い込んでたオレは昔から『オレ』と呼ぶのが癖になっている。
そんなオレには小学校低学年の時に仲が良かった女の子がいた。
その子は、お洒落やメイクに興味津々な普通の女の子で、優しく可愛らしい子だった。
オレはそんな彼女に自然と好意を持つようになった。
その子はいつもオレに「大好きだよ、ずっと一緒にいようね!」と抱きついてきては言うものだから、幼かったオレは、この子はオレと一緒で女の子が好きなんだと勘違いしてしまっていた。
ある日、その子は頬を赤くしながらオレに小声で話したのだ「実は私、山下くんのこと好きなんだ!内緒ね」と、オレはその時ショックでその後に話されたことは全く覚えていない。
今までその子が言っていた『好き』とは友達としての『好き』だったのだ。
そんなの考えればわかる話だったし、当たり前のことだ、だがオレは悔しかった。
オレのほうが一緒にいたのに、その子のことをよく知っているはずなのに、沢山優しくしてあげたのに負けたのだ、性別の違いだけで。
性別が違っていれば、オレはその子に好きになって貰えたかもしれない。
そう思うと余計辛くなり、女に産まれてきた自分が嫌になった。
それがオレの初めての失恋だった。
だが、その次はもっと酷かった。
小学生の時にクラスのカースト上位の美少女と仲良くなった時の出来事だった。
その子は、ワガママでなんでも素直に言ってしまう子だったものの友達思いで悪い子ではなかった。
そんな彼女に頼られることが嬉しくて、毎日が幸せだった。
あれは冬休み明けくらいだったはず。
冬休みに沢山遊んで今までよりも仲が深まり、オレの彼女への恋心も大きくなっていた。
彼女を自分のモノにしたいと強く思ったオレは、ついに彼女に告白した。
「オレ、お前のことが好きだ。恋愛的な意味で! 変だってことはわかってるけど言わなきゃと思って…」
オレ恐怖と緊張で冬なのに変な汗をダラダラとかきながらも恐る恐る顔を上げた。
すると彼女は冷たい声でハッキリと言った。
「え、あんた今まで私をそういう目で見てたの?キモいんだけど…」
顔を引きつらせた彼女はそれだけ言うとさっさと家に帰っていった。
その後、オレは彼女に無視されるだけではなく、クラス中にオレが同性愛者であることがバラされた。
同性愛の人が世間的にどう思われているのかは分かっていた。
だから言うのをずっと拒んでいたのにあっさりとバラされてしまった。
ただ純粋な子だったってだけで悪気がなかったのは分かっている。
だが幼かったオレの心は深く傷つき、その子のことを強く恨んだ。
そしてオレは、もう二度と女の子に告白しないと誓った。