53話 ドルド攻防戦②
どうも、眠れぬ森です。
痛風になり歩けません。
拙い文章ですが、よろしくお願いいたします。
休息を終えた俺たちは、再びザルバへの道を進んでいた。
「ねぇ、要塞都市ザルバってあとどれくらいで着くのかな?」
後方支援部隊の馬車の中で、サリアが少し緊張した様子で問いかけてきた。その横でサーシャも同じ表情で頷いている。
「このままのペースで行けば、恐らく十分もかからないうちに防壁が見えてくるはずだ。」
俺は地図を見ながらそう答えた。それを聞いて二人はそれぞれ腰に装備した武器に手を置くと、静かに目を閉じた。そしてすぐに目を開けると、そこには本物の覚悟を決めた者の眼をした二人が居た。
「アイリス、待ってて……」
「絶対、絶対に取り戻して見せるわ……」
二人がそう呟いた時だった。
「全部隊止まれぇぇぇぇぇ!!!!」
最前列で部隊を率いていたエルハルトの大声が響いた。それと同時に俺たちを乗せた馬車も急停止をする。
「きゃぁ!?」
「なに?何が起こったの!?」
「落ち着け、少し見てくる。」
慌てる二人に声をかけると、俺は馬車から飛び降りて前方を確認した。すると、そこにはザルバの兵士が一人、ボロボロになりながら立っていた。恐らく俺たちに伝令を伝えに来たのだろう。
「ちょっと、大丈夫!?」
そんな彼を見てリアスが飛び出して行くと、その兵士は地面に倒れ込んだ。その姿にただならぬ雰囲気を察したのか、エルハルトも彼の側へと近付いて行った。そしてリアスの治癒を受けている兵士と言葉を交わすと、俺の方を見て言った。
「ライアー、お前を呼んでいる。」
少し怒気を含んだ声に違和感覚えながらも、その兵士の元へ近付いて行った。そして俺が傍に行くと、彼は俺を見て言った。
「お……前が、ライ……アー……か?」
「そうだ、一体何があった?」
その問いかけに答えると、彼は血まみれの身体を動かして俺の肩を掴んで言った。
「良く聞け……ザルバは……第二防壁まで破られた……そして、ドルドの奴らは……第三防壁内の一般市民を人質に……お前に言伝をと言って……俺を向かわせた……」
「もう喋らないで、治癒が間に合わなくなるわ。」
リアスが彼を窘めるが、その手を振り払い続けた。
「奴らからの……言伝は……こうだ。役者は揃った……派手に……遊ぼう……ぜ………――――――――」
「っ!!」
その兵士はそう言うと、リアスの治癒も虚しく息を引き取った。
「なんと下劣な……」
兵士の最期の言葉を聞き、エルハルトは魔力を体に纏いながら拳を握りしめていた。それを見て、リアスも亡くなった兵士の遺体の目をそっと閉じると、エルハルトに声をかけた。
「時間が無いわ、一気に行くわよ。」
「分かっている。全部隊、ザルバまで全速で向かうぞ!!!!」
その掛け声と同時に、俺たちセリエス王国魔法士団は全速力でザルバへと向かったのだった。
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「一体、どういうことだ……」
兵士の言葉に道のりを急ぎ、ザルバに着いた俺たちだったが、目の前に広がる光景に絶句していた。彼の話ではドルド軍は第二防壁を突破後、第三防壁内の一般人を人質にしているという話であったが、そこにあるのは全ての防壁が突破され、破壊の限りが尽くされたザルバだった。
そこでは瓦礫と化した街中を屍人もどき共が彷徨い、勇敢に戦ったであろうザルバの兵士や逃げ遅れた一般人の遺体が至る所に転がっていた。
「そんな……」
その光景を見て、リアスが愕然とした表情で呟く。後方にいるサリアやサーシャも口を手で覆いながら目を見開いている。
「屑共め……」
エルハルトもその光景に歯を食いしばりながら怒りを滲ませていた、その時だった。
「おやおや、遅かったですね。」
聞き覚えのある声が瓦礫の山の中から聞こえてきた。その瞬間、俺たちはそちらを睨みつけるように視線を向けた。
「……マルク。」
もうもうと立ち込める砂煙の中から歩いてこちらへ向かって来たのは、この騒動の火付け役と言っても過言では無いマルク・ノックスだった。
「お前がこれをやったのか……」
ニヤニヤと笑いながらこちらへ向かう足を止めるマルクに、エルハルトが怒りの視線をぶつけながら問いかけた。
しかし、マルクはそんなエルハルトの問いかけにわざとらしく首を傾げながら答えた。
「はて?なんのことでしょうか?」
「ふざけるな!!貴様はこの惨状を見て何も思わんのか!!」
「ちょっと!!エリザベート!!」
こちらを嘲笑うかのようなマルクの態度に業を煮やしたのか、後方にいるはずのエリザベートとクラインがマルクの前までやってきて声を上げた。クラインはエリザベートを窘める為にやって来たようだが、当の本人は聞く耳を持たず、マルクを激しく捲り立てた。
「戦った兵士のみならず、無関係な一般市民にまで手にかけるとは、外道にも程があるぞ!!!」
そう叫ぶエリザベートだったが、マルクはそんな彼女を見てため息をつくと面倒くさそうに答えた。
「あんなぁ……これは戦争なんですよ?そのこと分かっていますか、お嬢さん?それに、僕の事を外道扱いするなんて……殺すで?」
そう言うと、マルクの横を何かがすごい速さで通り抜け、エリザベートへと襲いかかった。
「くっ!?」
長年の訓練の賜物か、はたまた運が良かったのか、咄嗟にエリザベートは後ろへ飛ぶと、先程まで彼女が居た位置を何かが切り裂いて行った。
「サーシャ、あれ……」
「ええ、間違い無いわ……」
エリザベートに斬りかかった人物はそのままマルクの脇へと戻って行ったが、その人物を見てサリアとサーシャは呟いた。それと同時に俺も目を見開いた。
「……アイリス。」
その人物は紛れもなく、俺たちの探していたアイリスであった。マルクはそんな俺たちの表情を見ると、ニヤリと笑いながら言った。
「彼女は僕の優秀な助手ですよ。術式の付与は天才的、それでいて戦闘能力も高い。彼女のおかげで《人口呪物》の作成はもちろん、この要塞都市を落とすことも出来ました。学園に居るのは勿体ない存在です。」
「ふざけないで!!そんな事の為に私の学園の生徒に手を出さないで!!」
そんなマルクに対して、初めに動いたのはリアスだった。リアスは魔法陣を展開させながら叫んだ。
「氷結の投槍!!」
その瞬間、魔法陣から巨大な氷の槍がマルクへ向かって飛んで行った。その威力に、誰しもがマルクの最期を悟った。しかしマルクは動じるどころか、不敵な笑みを浮かべると指を鳴らした。
バキャァァァァァァン!!!!!!
耳をつんざくような轟音と共に、突如マルクの前に魔力壁が展開され、リアスの氷の槍とぶつかった。そして魔力壁と共にリアスの魔法は崩れ去って行った。
「嘘でしょ……」
その光景にリアスは目を見開いて驚愕の表情を浮かべる。そんな彼女を見てマルクは笑いながら言った。
「ハハハハハッ!!流石は特級魔法士なだけあるなぁ!!せやけど、流石に人数には勝てへんみたいやな!!」
すると、マルクの声と共に瓦礫の隙間から一人また一人と姿を人影が姿を現した。そして、その中から二人の人物がマルクに近寄って来て声をかけた。
「さっすがマルクさんっスね!!この指輪のおかげで俺っちの魔力はマシマシっスよ!!」
「確かに凄い。だがなギギ、力に飲まれへんようにな。」
一人は浅黒い肌に金髪を逆立てた派手な男、そしてもう一人は短い茶髪の筋骨隆々な男だった。二人とも指にはあの《人口呪物》と思われる指輪を付けていた。その後ろに見える人物全員も同じ指輪をしていた。
「まさかお前たちは!!」
「《人口呪物》で魔力を底上げした魔法士たちやで。ここで計画を潰されたらたまったもんやないからな。ほな、失礼するで。」
「!?待ちなさい!!」
「待ってアイリス!!」
マルクはそう言うと、俺たちに背を向けながらアイリスを連れて歩いていった。すぐにその後を追いかけようとするリアスとサリアだったが、目の前には千を超える敵の魔法士と、数は減ったとはいえまだかなりの人数が残っている屍人もどきが行く手を阻んだ。
「さてさて、ここから先は俺っちたちが遠さへんで。」
「悪く思うな。行け、亡者ども。」
先程マルクと話していた金髪と茶髪の男がそう言うと、茶髪の男が手を前に出して魔法陣を展開した。その瞬間、俺たちの足元にも同じ魔法陣が出現した。
「!?総員、防御態勢を取れ!!」
突然の事にエルハルトがそう叫ぶ。しかし、魔法陣が消えても攻撃が来る事は無かった。
「今のは一体……」
不思議に思い、エルハルトがそう呟いた瞬間だった。
「ヴヴぅ……ヴァァァァァ!!!」
先程までこちらに興味も示していなかった大量の屍人もどきたちが、一斉にこちらへ襲いかかってきた。
「クソっ!!防御部隊前へ、魔力壁展開!!攻撃部隊は魔法陣を展開しろ!!」
「団長殿、我々は!!」
「姫さんたちは一旦下がってろ、邪魔だ!!」
エルハルトは咄嗟に指示を出し部隊を再構築する。それに合わせてエリザベートも指示を仰ぐが、エルハルトに一喝され後方へと下がっていく。それと同時に屍人もどきたちから魔法が放たれた。その魔法はエルハルト率いる魔法士団が展開した魔力壁によって防がれた。
その合間を縫って魔法士団たちも魔法で応戦するが、圧倒的な数の差に苦戦を強いられていた。
「ハハッ、セリエス王国の魔法士たちも大したことないないっスね、バランさん。」
「俺たちの出る幕はあらへんかもしれんな。」
セリエス王国の魔法士団の様子を見て、ギギとバランがそう言った。その言葉が、エルハルトに火をつけた。
「セリエス王国魔法士団を舐めるなよぉぉぉぉ!!!」
そう叫ぶと、エルハルトは屍人もどきたちの上に魔法陣を展開させた。そして魔力を流し込むと、大声で魔法を発動させた。
「大地粉砕!!!!」
その瞬間、激しい轟音と共に地面が爆ぜた。その衝撃で弾け飛んだ地面が屍人もどきたちを次々と貫き、一瞬で数百の屍人もどきをただの屍へと変えた。
「や、やるやないか。」
「思ったよりはやるな、こちらも本気をだそうか。」
その様子を見て、ギギが若干引き気味にそう言うと、バランがニヤリと笑いながら叫んだ。
「全員、攻撃開始!!」
バランの声と共に、《人口呪物》によって魔力が底上げされた魔法士たちが一斉に前に出ると共に魔法陣を展開し始めた。
「チッ!!リアス、カイン!!」
「分かってるわ!!」
「了解です!!」
それを見てエルハルトはリアスとカインに声をかける。それと同時に二人も魔法陣を展開した。
「氷結の防壁!!」
「水流防壁!!」
二人が魔法防壁を発動させ、ドルドの魔法士の魔法とぶつかる、その時だった。一筋の光がセリエス王国魔法士団とドルドの魔法士たちの間に走った。
パキャァァァァァン!!!!!!
それと同時に双方が展開していた魔法陣が音を立てて弾け飛び、魔法が霧散していった。
「な、なんや一体!?」
「どういう事だ……?」
ドルド側で指揮を取っていたバラン、そしてエルハルトも突然の事に声を上げた。どちらもこの状況に混乱していると、突然空から声が聞こえてきた。
「参ったねぇ。助けるつもりが、全ての魔法を破壊してしまったよ。」
その声に全員が空を見上げると、そこには一人の人物が浮かんでいた。手入れがされていないと思われるがキラキラと陽の光に輝く銀髪、戦場に似合わない白衣とモノクル。そして、人間とは違う特徴的な尖った耳をした女性がそこには居た。
「な……あれは……」
「エルフ……っスか!?」
その少女を見てバランとギギは驚愕の表情を浮かべていた。それはこちら側も同じことだった、たった一人を除いて。
「ユナ博士!!」
彼女を見たカインは喜びの表情を浮かべていた。その声に女性が気がつくと、カインの所へ降りてきた。そして辺りを見回すと、俺を見つけるなり声をかけてきた。
「君がライアー・ヴェルデグラン君かい?」
「あ、ああ。」
突然の事に混乱した頭で答えると、カインにユナと呼ばれた女性は頷きながら問いかけてきた。
「時にライアー君、アイリス・クラントン君は何処に行ったのかな?」
「え?」
「聞こえなかったのかい?アイリス君は何処だと聞いているんだ。」
ユナの問いかけに言葉を失っていると、彼女は少しムッとした表情で再び問いかけてきた。
「ア、アイリスはマルクと一緒にこの奥へ行った。」
俺は屍人もどきとドルドの魔法士たちの先を指差して答えた。
「なるほど、ではこの羽虫共を払ってから行こうとしようか。」
ユナはそう言うと一人歩いて前線の一番前へと躍り出た。その行動にドルドの魔法士たちも一瞬呆気にとられていたが、直ぐに正気を取り戻して叫んだ。
「エルフ一人がなんだってんだ!!」
「こっちは魔力が上がってんだよォ!!」
そう言いながら魔法陣を展開しながらこちらに突っ込んできた。そんな状況の中、ユナは落ち着いた様子で言った。
「全く、誰が私一人だけと言ったのかな?」
そして白衣のポケットから拳サイズの水晶を取り出した。その時だった、ドルドの魔法士を指揮するバランは何かに気がついたように叫んだ。
「お前ら止まれぇぇぇぇ!!!!」
しかし、その声が発せられたと同時にユナは水晶を空に放った。すると、その水晶から激しい光が発せられた瞬間だった。
「グオォォォォァァァァァァ!!!!」
その水晶から一匹の魔物が現れた。それは漆黒の鱗に巨大な翼、そして棘の生えた尻尾。更には頭部に一対の角を持った魔物だった。
「まさか、ドラゴンか……?」
おとぎ話や英雄譚でしか見たことの無い伝説の魔物。それが俺たちの目の前に現れた。
「ッ!?ク、クソ!!」
「屑共、盾になれ!!」
ドラゴンを見たドルドの魔法士たちは慌てた様子で攻撃の魔法陣を納めると、前方に魔法防壁を張った。
バランもそれを見てか、魔法陣をドルド軍の前方に展開すると、そこに屍人もどきたちが集まり魔力壁を張った。
「……やっていいよ。」
ユナはそれを見ながら、ドラゴンに一言呟いた。すると、巨大な牙が並ぶ顎を大きく開いたドラゴンはその口内に魔法陣を展開した。その瞬間、眩い光と共に巨大な光線を発射した。
「くっ!?」
そのあまりの衝撃に一瞬顔を覆ったのだが、静寂が訪れた事で顔を上げると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。
ドラゴンが発射したであろう光線の道筋に居た屍人もどきとドルドの魔法士は跡形も無く、文字通り蒸発していた。それを示すように、光線が通った後の地面は真っ赤に焼け一部がガラス化していた。この一瞬で、ドルド戦力は半分に迄削られてしまったのだった。
「な、なんやそれ……」
「バランさん、こりゃヤバいっスよ……」
その光景を見て、バランとギギは顔を引き攣らせていた。しかしそんな二人など眼中に無いかのように、ユナはドラゴンを撫でながら俺に話しかけてきた。
「さ、これで道は開けただろう?アイリス君のところに行こうか。」
そう言ってドラゴンの背中に乗るユナを見て、俺は言った。
「分かった。だが、サリアとサーシャも乗せていって貰いたい。二人もアイリスを助けるために、覚悟を決めてここまで来た。」
「ふぅン……」
俺の言葉に、ユナはサリアとサーシャに視線を向ける。しかし、直ぐに視線を外すと笑いながら答えた。
「まぁいいさ、好きなようにしたまえ。」
「あ、ありがとうございます!!」
「感謝します!!」
ユナの言葉にサリアとサーシャは頭を下げた。そして全員がドラゴンの背中に乗り終えた時、リアスが走って近付いて来るとユナに声をかけた。
「ユナ様、私も連れて行ってくれませんか!!」
「リアス君か、君はどうしてだい?」
リアスの言葉にユナは何かを探るように問いかけた。それに対し、リアスは悲しそうな顔で答えた。
「今回の件には元学園教諭が関わっています。これは学園長として私の責任です。なので、ケジメはしっかりとつけなければいけません。」
その言葉にユナは少し何かを考える素振りを見せた。そして、独り言を呟いた後答えた。
「良いだろう、あと一人増えたところで何も問題無いさ。」
「感謝致します。」
そう言うと、リアスも俺たちと共にドラゴンへと乗り込んできた。
「それでは行こうか、しっかりと捕まっていてくれたまえ。」
ユナはそう言うと、ドラゴンを撫でた。すると大きな翼を広げて空へ飛び立つと、マルクとアイリスが向かった方向へと飛び立って行った。
「あ、こら!!待たんかい!!」
ユナ様とライアー達がドラゴンで飛び去った後、ドルドの指揮官の一人の男(ギギと呼ばれていた)が撃墜しようとしてか、攻撃魔法を放とうとしているのが見えた。
「ジェームス!!」
「はい!!」
俺はすかさずジェームスの名を呼んだ。俺の考えを読み取ってくれたジェームスは、直ぐさま魔法陣を展開し、ギギへと魔法を放った。
「雷撃の槍!!」
バチバチと激しい火花をスパークを迸らせながらギギへと飛んでいく。しかし、その魔法はバランと呼ばれた男が間に入り、展開した魔法防壁により伏せがれてしまった。
しかし、それで良い。俺の狙いはそこにあった。
「ギギ、油断するな。」
「バランさん、すんませんっス。」
今の攻撃で敵の注意はこちらに向いた。その瞬間、俺は奴らに向かって叫んだ。
「お前らの相手は俺たちだ。さっさと来い、一瞬で片付けてやる。」
「ほう?口だけは達者なようやな。」
俺の挑発にバランと呼ばれた男は全身から魔力を迸らせながらこちらを向いた。すると、ギギと呼ばれた男は怒りに顔を真っ赤に染めながら叫んだ。
「アンタらなんか俺っちだけでも充分や。バランさん、殺らせて下さいっス!!」
「ならこちらも俺が出るまでも無いな。ジェームス、頼むぞ。」
「分かりました。」
俺がそう言うと、ジェームスは剣を抜きながら俺の前に立った。
それを見て、バランは身体から魔力を滲ませながらエルハルトを睨みつけた。対してエルハルトも、魔力をゆっくりと放出しながらバランを睨みつける。
「ギギ、お前はあの小僧をやれ。俺はこのデカブツをやったる。それからお前ら、俺とギギこのアホ共を殺るから他のをやれ。」
「ジェームス、あのチャラいのは任せた。それとカインは魔法士団と共に他の魔法士を相手してくれ。」
二人はそれぞれ自分の部隊へ指示を出すと、共に魔法陣を展開した。
ここに今、ドルドvsセリエス王国の正真正銘の戦争が始まった。
ありがとうございました。
次回、バラン率いるドルド軍とエルハルト率いるセリエス王国魔法士団のバトルです。
次回もお時間があればよろしくお願いいたします。