第1話 転生したらシェリーでした
「この伯爵令嬢の癖に!!!!公爵家のエリザベータ様に恥をかかせるだなんて!!!!」
そう言われて髪を切られた瞬間、思い出した
『あ、これあの乙女ゲームの冒頭だ…』
…と。
私はシェリー・アルベール。16歳。父は伯爵の位の貴族です。
この度貴族の子供達が通う学園に通うことになりました。
ですがその初日に『美しい銀髪で多くの殿方の目線を独り占めにした』という理由でとある令嬢を囲っている他の令嬢達に髪を切られたのでした。
私はその時思い出しました。これは前世でプレイしていた『竜娘の涙』の世界だと
『竜娘の涙』とは竜の血を引く主人公がその事を隠しつつ学園に通い、紆余曲折を経て竜の血を引く事を含めて自分を受け入れてくれる者と結ばれるゲーム。
その主人公のデフォルト名は『シェリー・アルベール』そう、私の事…みたいですね…
確かに母は幻の種族である竜人ですし私も『暴走しないように』『竜の血を引く事は隠すように』と凄く言われてます
前世の私は日本人で病弱で最期も病で亡くなったのですが入院中にやっていたこのゲームの事は大好きでしたので、神様が闘病を頑張った私にご褒美で大好きなゲームの主人公シェリーに転生させてくれたのでしょうか?
そう思いつつ髪を切られてぼーっとしていると
「貴女達何をやっているの!!!」
「えっ…エリザベータ様…」
エリザベータ様がやってきた
エリザベータ様ことエリザベータ・クロニエは公爵家の令嬢で王子の婚約者候補No.1と言われています。
けれどその王子が私に注目しているのを見て嫉妬し、嫌がらせをするという人物
だけれど彼女も彼女なりに訳アリで…
「こっ…これはその…」
「お黙り」
エリザベータ様は私を一瞥して
「…無様だこと」
と言って周りの者達に「行くわよ」と声をかけ去っていきました。
ほ…
本物のエリザベータ様だぁ!!!!!!!!
何を隠そう私は
エリザベータ様をはじめとしたサブキャラが攻略対象キャラよりも大大大好きだったのです。
これは竜人娘の主人公がエリザベータ様をはじめとしたサブキャラ達を救おうと奮闘する物語
サブキャラってなんで魅力的なキャラが多いんでしょうかね?