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GWには裏がある!?

 四月が終わると五月に入る。そして五月の初旬は怒涛の新学期お疲れ様と言わんばかりの大型連休、通称ゴールデンウィークというものがある。その大型連休は各々自由に連休を過ごしたいのが普通であるが、先生の天体観測を手伝わないといけないため悠は自由に過ごす事が出来ない。

 帰りのホームルームの時に放課後残るように先生に指示された悠と叶奈は大人しく残っている。悠は先生が他の生徒と話していて少し時間がかかりそうだったので席に自分の席に腰をかけて待つことにした。

 斜め前にいる真奈が帰りの支度をしているので声をかける。


「もう帰るのか?」

「うん。じゃあね」


 いつもなら悠はどうするのか的な事を聞き返して来る真奈だがここ最近は、ここに居たくないとばかりに直ぐに1人で帰る。真奈が帰った後、真奈の前に座っている席まで悠は移動しその前の席に座ってる叶奈に尋ねる。


「なあ叶奈」

「なに?」

「最近真奈の様子おかしくないか?」


 叶奈には心あたりがある、それは先週の一件だ。叶奈が真奈に悠のことが好きと打ち明けて以来、叶奈と悠は真奈に避けられているような感じがしている。そんな事悠に言える訳もなく適当にお茶を濁す。


「んーなんだろね。多分時間が解決してくれるよ」

「そうだといいけどな...」


 悠が心配するのも無理ない。なぜなら真奈があのようになるのは初めてであるからだ。叶奈自身この件についてはちゃんと区切りをつけないといけないとは思っているが、なかなか機会がない。

 真奈と今後どうしたらよいか悩んでいると、先生が他の生徒から解放されたのかこちらに声をかける。


「市ノ瀬、神代姉行くぞ」

「はーい」


 二人は声を揃えて返事をし教室を出て先生に尋ねてみた。


「先生残って何やるんですか。修学旅行のことですか?」

「まあまあ大人しくついてこい」



 先生にいわれるまま後ろについていく。見慣れた道を通りついた場所は天文部の部室である。ドアを開け中に入ると、先生は机をあさり始める。


「あれおかしいな...ここに置いておいたはずなんだけど...」

「何探してるんですか?」


 先生は聞こえていなかったのか、探す手を止めない。すると見つけたのか、こちらを見る。


「あったぞ、これだ」


 すると、先生が一枚のチラシみたいなものを渡してくる。悠と叶奈は恐る恐る見る。すると書いてあるのは、栃木県の観光名所の切り抜きだ。


「栃木県八方ヶ原?」

「今年のゴールデンウィークそこ行くぞ。来週に迫ってるからお母さんから早急に一泊二日の許可取っておくように」

「いやいやいきなりすぎでしょ。そんな急でお母さんから許可取れるわけないでしょ」


 すると、隣で聞いていた叶奈が余計なことを言う。


「悠のお母さんは多分OKしてくれますよ。私が行きますし」

「おーさすが市ノ瀬の幼馴染なだけあるな。神代姉が来てくれて助かるよ」

「俺抜きに勝手に話を進めるなよ...」


 悠の発言は二人の耳に入っておらず、勝手に話が進んでいく。話してる二人を放っておいて帰ろうとすると、恐ろしい話声が耳に入ってくる。


「私のヴォクシー七人乗りで、一年の二人乗せてもあと四人はいけるな...」


 悠は心の中でこいつら大人数で行くつもりなんじゃと思った矢先叶奈が恐ろしい提案をする。


「なら、私たちの仲いいメンバー誘っていいですか?」

「いいが、そしたら神代姉が市ノ瀬とふた...」


 先生が何か言いかけたところで叶奈が両手で先生の口を抑える。叶奈とアイコンタクトを取った先生は何かに納得したかのようにうなずき叶奈な対して親指を立てている。


「ということだが、聞いてたか市ノ瀬」

「はいはい聞いてましたよ...人数増えるんですよね...」


 先生が決めたことは、絶対なので悠はとりあえずうなずいておく。この場にいると不都合なことが決まっていきそうなので、早くこの場を去りたかった、悠は先生の用件は済んだとみて話を切り出す


「先生帰っていいですか?」

「あーちょっと待って」

「まだあるんですか!?」


 嫌な予感がするが立ち止まって先生の話を聞く。


「今年天文部に入った男と女二人がいるんだが...」

「だが...?」

「その男の方に恋愛相談されてな...」


 独身のちょっと難ありの先生に相談するなんて何を考えてるんだその新入生はと心の中で思ったが、口には出さないで先生の話を静かに聞く。


「中三の頃から好きで頑張って勉強して同じ高校に入って、自分の中の一区切りとして合宿の時に告白したいらしいんだけど私はどういったアドバイスをしたらいい?」


 悠は名案を思い付く。


「そしたら俺ら行かないで、先生と新入生二人で行って来ればいいじゃないですか」

「そしたら私が青春の光の眩しさに耐えられないし、私の面倒をだれが見るんだ」

「ですよね...(いい歳した大人なんだから自分のことは自分で管理しろ)」


 悠は心に思った事は口に出さないで心に閉じ込めておいた。一緒に話を隣で聞いていた叶奈は何かに気が付いた。


「それって私達で告白に最適なシチュエーションを作れってことですか?」

「神代姉ご名答だ」


 これはまた難しいことを先生に押し付けられてしまった。これは怒涛のゴールデンウィークが始まると悠は確信した。

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