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買い物には裏がある!? ②

 真奈は買い物袋を片手に陽気に歩く。その一方で悠は真奈のことを鬼の形相で睨み続ける。すると真奈は悠の視線に気が付きこちらを見る。


「何よ」

「何よ、じゃないわ。俺の邪魔しに来たのか」

「だって店員さん、私に対してお似合いっていったのよ?そしたら私が貰ってあげるしかないじゃない。悠君異論はありますか?」


 悠は心の中は心の中でこいつ腹立つなと思いながら、適当に首を振る。


「というわけで、心を新たに希のプレゼント探ししましょ」


 一時間ちょい色々な店を見て回る。真奈は提案どころか何一つ提案してこない。ここで悠はある事に気が付く。


「なあ、真奈もしかして、如月さんに何を買えばいいのか分からないんだろ?」

「うげ」


 変な声をあげた真奈は斜め上を見ながら、わざとらしい口笛を鳴らしている。悠は呆れてものも言えず頭を抱える。


「しょうがないでしょ」

「何がだよ」

「だって......希の好きなものとかわからないし、どうしたらいいのか分からないんだもん...」

「なら、一緒にプレゼント買い行こうなんて言うなよ…」


 悠がそのように言うと、真奈がここぞとばかりに真顔で反撃してくる。


「悠が一緒に行こうって言ったんじゃん」

「そうだっけ...?」

「忘れたとは言わせないわよ?」


 真奈は意地でも引かないという想いを乗せ強い口調で悠に迫ってくる。悠は昨日の自分を思い返してみる。


「えっと...昨日叶奈に酷いことを言われ...落ち込んでた所を蓮が来て誕生日近い事教えてくれて...そしたら真奈が来て上から目線で一緒に行ってあげても言いって言われたような...」

「確かにそうかもしれないけど、頼んだのはあんたじゃん!」

「まあそうだな...でもけど...」


 すると真奈は言葉を遮るようにわざと咳払いをし、悠の発言を止まったところで話題を切り出す。


「まあまあくだらない話はそこまでにしておいて、お腹減ったから何か食べよ?」


 今日の真奈はここの主導権を握っているため俺は逆らうことができない。言いたいことは色々とあるが、適当に返事を返しておく。


「あぁ...そうだな。遅いけど昼飯にするか」



 フードコートに着くと色々な種類の店があり目が眩む。こんな数の中から選ぶなんて大変だと思いながら悠はフードコートを歩き回る。

 すると真奈が何かに気が付き悠の肩を引っ張る。


「ねぇねぇあれ...」


 そう言って指さす方向には見慣れた顔の男女がいる。目を凝らしよく見る。


「あれは蓮と叶奈だな...」

「だよね...あの二人ってそういう関係なの?」

「そんなことを俺に聞かれましても...」


 蓮はとてもモテるが好きな人がいるなんて話聞いた事ない、ましてや彼女がいるなんて話も聞いた事ない。悠と真奈の間に気まずい空気が流れ二人を影から見守っていると、この空気に耐えかねた真奈が発言する。


「ここじゃないところで食事にしよ...」

「そうだな...」


 二人はすぐに蓮と叶奈のいるフードコートを離れる。悠は離れながら、これ以上買い物を続けて偶然にもでも鉢合わせでもしたら、気まずすぎて二人と学校で目を合わせられない様な木がするため一刻でも早くこのイオンモールから出たっかった。その考えは真奈の方も同じだったらしく目が合うと余所余所しく話かけてくる。


「か、帰ろうか...」

「そうですね...」


 二人は家まで歩いて帰ることにした。今日一日真奈とは何かと揉めているが、最後の最後で意見のあった自分達を客観的に見ると面白くて、悠はつい噴き出してしまう。


「ちょっと急に何、きもいんですけど」

「いや...今日一日中俺のことさんざん振り回しておいて誕プレ何一つ決まらなくて揉めたのに、最後の最後で意見一致したことが面白くてさ...」

「そうですか...」


 真奈が悠の発言に困惑していると、悠は満面の笑みでこちらを見てくる。


「真奈のおかげで如月さんの誕プレ何も決まらなかったけど楽しかったよ、ありがとう。また行こうね」


 これを聞いた真奈は顔を真っ赤にさせると悠の顔を見ていられず、そっぽを向けてしまう。


「一言多いよ...」


 悠に聞こえるか聞こえないか位の声の大きさで言う。

 これが真奈が今言える照れ隠しであったが、悠に聞かれていた。


「ん?今なんて言ったよく聞こえなっかった一言うんちゃらって聞こえたけど何?」

「うるさい!掘り返さなくていいわ、このどん助」

「どん助...」


 これ以上悠と一緒にいるとダメな気がして真奈は早く帰ることにした。


「私用事思い出したから先に帰るね」

「分かった。気を付けて帰れよ」


 その場を早く離れたくて、真奈は全力でダッシュをする。500メートル位走ったところで十字路を右に曲がり膝に手をついて休む。この心臓のドキドキは走ったせいなのか、それとも違う何かなのかはよくわからないけど、一つだけ言えることがある。


「私は悠のことが好き...」


 小さく呟いた真奈の声を聞いている人は周りにいなっかった。


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