エピローグ
いったん完結ということにします。
ギルさん、優秀すぎぃ。
ギルガメシュ・ジオリジンさんと、そのゴーストたちの優秀さについてちょっとした衝撃を受けたのち、逆に気になることが出てきた。
「今のお話で、優秀なゴーストってのがいるとして、優秀じゃないゴーストもいるんですよね。そっちはどんなパターンがあるんですか」
「そうですね、さっきのが優秀なゴーストかはさておき、ゴーストを試験運用する側の事情だけで言えば、一番いいのは、安定してて、効率よくいろんなシミュレーションをこなしてくれるゴーストですね。
次に、効率が悪くても安定してるゴーストですかね。効率が悪いゴーストは、ユーザーがどのくらいのペースでコンテンツを消化していくかのペースを検証するのにデータの幅が広がって役立ちます。
不安定なゴーストは、シミュレーション自体が完了できなかったりするので、扱いにくいデータが生まれがちですね。想定ユーザーの幅が広がるという意義があるにはありますが」
「不安定なゴーストって、実際にはどんなことが起こるんですか」
「現実と一緒ですよ。動けなくなるまで引きこもっちゃったり、ギャンブルにはまって債務奴隷になっちゃったり。
フルダイブ・完全オープンワールドなら、ユーザーとしては非日常体験でそういう遊びもありかもしれませんが、この手の堕ちていく遊びは、現実の課金と相性が悪いので、開発のモチベーションが薄いです」
「なんか、身も蓋もないですね…。極端な話はおいておくとして、ゴーストが痛みや死を恐れたりするのなら、冒険をやめたくなることもあるんじゃないですか」
「それはしょっちゅうありますね。
前に仮想水槽の例を挙げてましたけど、育成や箱庭、建築みたいなジャンルのゲームもたくさんありますので、ゴーストの適性によってある程度は最初から振り分けます。
ただ、そのジャンルが好きな人のゴーストばかりではどんどんマニアックになってしまうので、新規顧客をそのジャンルに引き込むことも想定して、本来は好きじゃないジャンルにあえてそのゴーストを入れることもあります。
むしろ、人間のテスターでは嫌になる作業なので、ゴーストにやらせるという面もあります」
「そういえば、ゴーストは人間ではできない条件下で働くために作られたんでしたね。ブラックでも仕方がないですか」
「ホワイトとは言いませんけど、ケアをしないわけじゃないですよ。
シミュレーションがうまく回せなくなりそうなときは、他のゴーストと組ませてみたり、オリジナルの設定を付与してみたり。
我々も、環境を設定する時には試行錯誤を繰り返してますからね。ある環境でうまくシミュレーションをこなせないゴーストが、だから無能だなんてことはありません。
ゴーストの成功も失敗もより大きなスケールでのシミュレーションの一部とも考えられますし、ゴーストが必要とするものは、プレイヤーにも需要があるでしょうから、企画にフィードバックされていきます」
「ゴーストが必要とするものは、プレイヤーにも需要がある、ですか。なんだか深い気がしてきますね」
「プレイヤーの嗜好を把握するためにゴーストが作られたんですから、循環してるだけですけどね」
ちょうど二週間です。
本文中で設定考えることが多く、冗長でしたがその分勢いで書いていけました。
次作からは、もっとコンパクトにまとめたいと思っています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!




