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14 罪への許し
「ロジェ」
ふいに、エルネストはロジェを呼びました。
「なんだ、急に」
「罪は、許されると思うか」
「……そうだな」
ロジェは少し視線を逸らして考えた後、
「ひとりでも、許してくれる人がいるなら」
「そうか」
ロジェはエルネストに、顎で向こうを指し示しました。
「あれ、見てみろよ」
そこには頭を地面につくかと思うほど下げるカトリーヌ王妃と、そしてミランダの姿がありました。
「やですよ陛下。顔をお上げください」
「いいえ。あなたには、どうお詫びしてもしきれません」
カトリーヌはその姿勢のまま言いました。
「サン・バルテルミのあの事件をわたくしは黙認していました。あのとき首を横に振っていれば、あなたのご子息も……」
ミランダは首を横に振りました。
「あの悲劇は、あなたひとりが起こしたことじゃない。罪滅ぼしとして、これからあなたにできることは、もう2度と、こういうことが起こらないような政治をしていくこと」
はっとして、カトリーヌは顔を上げました。
「幸い今は、新教徒の考えも認めるように、上の方々も動き出しているんでしょう。いいことだと思います。女王陛下も頑張っておくれ、ね」
カトリーヌは目に涙をためて頷きました。
「はい……!」




