6 意味
「ね、眠い・・・」
夢のことが気になって、よく眠れなかった。
ふと、手首に結んでいるリボンを見ると。
「あれ?」
昨日は、ひもだった。
でも今度は、お店に売っているような、立派なリボンになっている。
どうして・・・?
「あ、ヤバ!学校行かなきゃ!」
今日も昨日みたいに、髪を結んでいこうっと。
「行ってきまーす」
急げー!
ガラガラー!
セ、セーフ・・・。私は、席に着く。
「・・・でね!昨日夢の中に、千夏が出てきたの!」
零里だ!
「あ、あたしも!」
「ウチの所もよ!」
紗羅と、奈月もいる!
「これって、どういうことなのかな」
「さあね」
零里たちの夢にも?
どうして!あれは、私の夢なのに!
そもそも、零里たちは、フリー・ワールドに行けるのかな?
「っていうか、あいつもでてきたのよ!」
「あいつ・・・?誰よ、零里」
「ほら!『リリクズ』よ」
「あー!『リリクズ』ね」
「確かに、いたよね~」
『リリクズ』・・・?
誰だろう・・・。私の知っている人・・・?
「あいつ、今、どうしてるかな?」
「ホントにねー!」
「よく遊んだよね。懐かしー!」
零里たちの、友達かな?
『リリクズ』って、あだ名?
でも、クズって・・・。どういうこと?
仲のいい友達だったら、そんなあだ名、つけないはず。
本当に、友達なのかな・・・?
「あいつ、泣き虫だったよね~」
「そうそう!ウチらが、せっかく遊んであげたのにね」
「どうしようもない、バカでさ~」
「バカなところは、千夏と同じよね」
「言えてる」
さりげなく、イヤミ言ってるし。
っていうか、遊んであげたって?
普通は、あげたなんて言わない。
そういえば、零里は、『いじめる』を『遊ぶ』という言い方に変えて言うことが、ある。
もしかして・・・。その人も、私と、一緒?
「そういえば、あいつ、千夏のところ、真っ先に声かけたよね」
「千夏に、『友達出来たら、いじめるから』って、警告した、次の日だったね」
「ウチらとクラス分かれたのに、変だと思ったんだけど。どうやって、情報聞きつけたのやら」
「でも、また遊べてスッキリしたじゃない」
「うん」
「そうね」
それって・・・。私が、離々亜ちゃんに話した、あの出来事・・・。
そういえば、話しかけてくれたのがきっかけで、仲良くなったのは覚えているけど・・・。
その人が、いったい誰だったのかは、覚えていない。何で・・・?
でも、今の零里たちのやり取りで、『リリクズ』っていうあだ名の人が、話しかけてくれた人だってことは分かった。
ただ、それが、誰なのか・・・。
「リリクズ・・・リリク・・・!そういうこと!」
自分では、大きい声を出したつもりだったけれど、周りがうるさくて、目立たなかったみたい。
でも、『リリクズ』が、あの人だとしても実際には、会っていないって、言ってたし・・・。
やっぱり、違うのかな?
でも、今日聞いてみよう。
フリー・ワールドで。




