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フリー・ワールド  作者: あお
~院上 千夏編~
1/11

1 教室

もう、私に味方はいない。

みんな私から離れてしまった。


「どうすればいいの?

これから、どうすればいいの?」

聞いても、誰も答えてくれない。

だから、何もできない。・・・誰もいないから。


友達も親友も・・・。そして、味方も。



「キーンコンカーンコーン♪」

「よっしゃ!休み時間!!」

「何して遊ぶ?」

ドカドカドカッ!!

みんな教室から出ていく。

私は、1人で椅子に座っていた。

いつものように、メモ帳とシャーペンを、机の上に出す。

そうして、こう書く。

『私は1人。どうすればいいの?』

次のページを開く。

『私は、院上いんじょう 千夏ちなつ。誰か助けて、助けて!!私は、もう・・・』

「ちーなーつ!何してんの!?」

私の前に、零里、紗羅、奈月が現れた。

「べ、別に・・・」

そう言っている間に、もうメモ帳は取り上げられていた。

「返してよ・・・!!」

「嫌よっ!!えーと・・・」

零里れいりは、前に私が書いた所を、読み上げた。

「もう私は、必要ない。・・・いない方がマシって、きっとみんなそう思ってる。・・・あ~ら。千夏のバカな頭でも、これくらいはわかるのね~」

「っていうか、それくらい分からなきゃ、学年1番のバカね」

「確かに~。分かって当然のことよね!だって、クラスのほぼ全員が、そう思っているんだから」

私は、何も言い返せない。

バタン!!

零里が持っていたメモ帳を下に落とすと、踏みつけながら言った。

「ほんとに、あんたにはどこかに行ってほしい。ここにいる資格、ないから!」

続いて、紗羅。

「生きてるだけ、無駄なのよ!」

最後に、奈月。

「あたしたちの前から、さっさと消えて」

メモ帳がボロボロになるまで踏みつけて、3人は笑いながら教室を出ていった。

悔しい。・・・悔しくて、悲しい。

もう、だめ・・・耐え切れないよ・・・。

『このクラスに、あんたは必要ない。いらない』

『さっさと消えて』

そうやって、今まで何回も言われてきた。

だけど、言い返せなくて、メモ帳に言いたいことを書いて気持ちをおさえてきた。

でも、もう私は、生きることが嫌だ。つらい。

どうして私は、こんな思いをしなくちゃいけないの?

私だって、普通に学校生活を送りたいのに。

友達だって、ほしいのに。

「友・・・達・・・」

そうだ。私には、夢のまた夢の話だ。

できるわけない。

こんな、弱くてみじめな私に。

もう・・・学校から離れてしまおうか。

いや、いっそ現実から消えてしまおうか。

残酷な考えが、頭をよぎる。

それだけは・・・だめか。

でも、私はもう、クラスメイトじゃなくなったんだから、いいよね?

もしも願いがかなうのなら、この世界から・・・「院上 千夏」という人物を消してほしい。

そんなの、絶対にありえないけど。

だけど、私は・・・この教室という空間に、もういたくないんだ。

誰か・・・この願いを叶えてくれますように。

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