スーパーマンドラゴラの愛
僕は、グアムパムダ・チャ・バワムダラ。明日から待望の小学五年生だ!
その日、僕はとても上機嫌だった。
なんといったって、明日から小学五年生なのだ!2分の1成人式だ!
と、1人で袴を出して2分の1成人式をしながら僕は普通にテレビを見ていた。
今は僕の一押し野球チームが華麗な激戦を繰り広げていたからだ。
「まぅぅぅぅううううわぁぁぁぁああああれぇぇぇぇぇええええええ」
リビングの床が抜けて、僕は風呂場に到着した。そこには、ギョッとした姿のマミーが。キャッ☆サービスシーン♪
「グアムパウダ・チャ・バワムダラ、何やってんの…?まあ早く入りなさいよ。お母さんの熱、冷めるわよ」
自信の体温で冷水を沸騰させていたマミーにそう言われ、僕は袴を勢いよく脱ぎ捨てた。
さすがに沸騰したままだと熱くて入れないので、僕のパワーでマイナス3467度まで冷やした。お母さんが凍った。
そしてそのままゆっくりと湯船につかった。マミーとの混浴なんて何年ぶりだろう。あれ?昨日も一緒に入ったっけ?まあいいや。
僕は軽度のアルツハイマーにかかっている。ちなみに要介護レベル57だ。ずっとマミーと一緒に暮らせるんだから、介護ってイイネ!
そのまま、体感温度3467度の湯船に顔を沈める。1人で水中ジャンケンをした。
652回目のパーで僕がグーの野郎に勝利した時、再びマミーの熱で湯が溶け始めたことに気づく。
僕のマミーは一体体温がいくつなのかって?さぁ、それは僕も分からない。
以前、ちょっと洒落たバーに入ったら、酒気に反応してマミーが萌え…じゃなく燃えて、明歴の大火となったから多分体温は人並み以上に高いのだろう。
しかし、これはちょっと熱い。う~ん、ちょっとというかかなり熱い。試しに近くに飛んでいたヒトスジオオヤブカを湯の中に入れたら、秒速でビックバンした。
せっかくのマミーとの混浴も台無しである。ムードも何もへったくれもない。
余談だが、僕の下半身は成人男性以上に成長している。まあ、先ほど2分の1成人式をやった効果もあると思うが、ハッキリいってジャーマニーなどメじゃない。
僕の下半身を例えたいならそこらのダンプカーやキャタピラでも持ってくるがよい。捻り潰して差し上げよう。
そんな立派な下半身も、熱湯のせいかまるで元気がない。これは由々しき事態だ。
僕はすぐさま下半身に意識を集中させた。何やら湯船のかさがイッキに上昇したが、これはけして僕がおもらしした訳では…ウン、ないよ?
並々と浴槽に溢れるおもら…じゃなくて熱湯のせいで僕は何だか気分が悪くなってきた。下半身の元気も取り戻せそうにない。今日はここまでにしておこう。
1秒ごとに凍ったり溶けたりを繰り返しているマミーに花を添えて、僕は湯船から出ようとした。
だが、次の瞬間!
先ほどビックバンしたヒトスジオオヤブカが……僕の身体に跳躍した。
うわぁと情けない声を上げ、ヒトスジヤブカから距離をとろうとした瞬間、僕はせっけんアタックした!
せっけんアタックは、僕がマリパで最も得意なミニゲームだ!
え?描写をしろだって?
せっけんアタックだ!
そもそも僕はあまり描写が得意ではない。なぜなら僕の網膜はギンギラギンで限りなかったため、目の前の風景がさりげなかったからだ。
と、言うわけで僕は何だかわからないが人生で3回目のKIZETUを体験した。
ちなみに1回目は小学校に入ってはじめて友達ができた時で、2回目はオレンジジュースを風呂上がりに飲んだ時だ。
僕…もうKIZETUのプロになれるかもな……
薄れゆく意識の中、僕はほんのりと笑った。それは…とても麗しい微笑だった。フッ、自分で言うと何だか照れるゼ。
僕は恥ずかしくなってきてまた気絶した。気絶の最中に気絶するなんて…なんて器用なんだ僕は。
僕は、スーパーマンドラゴラも裸足で逃げ出すほど器用だった。
もう……自分の名前も思い出せないや…
誰か、僕の名前を呼んで……
「……パ…ン…、ダ…………」
パンダかぁ…上野どーぶつえんのパンダの赤ちゃん…死んじゃったんだよな…
「グアムパムダ・チャ・バワムダラ……」
けったいな名前だな。どこのどいつだ、そのグアンアンヨ・チョ・ビンワンエビって…
「グアムパウダ・チャ・バワムダラッ!!」
ハッとして………グーした。
すぐさま起き上がり、辺りを見渡す。
ドコだ…ここは……?
草原だった。もうホントに草と原しかないみたいな。何て描写が上手いんだ僕は。
「キャアアアアアアア!」
遠くで、悲鳴が聞こえた。
僕は、丸出しの下半身を悲鳴のする方に向けた。
そのまま悲鳴に向かって全力ダッシュする。か弱い乙女を助けるのは、この僕の役目と太古から決まっているんだ!
「来ないでぇぇぇえええええええ、来たら死んでやるんだからぁぁああああ!!」
細くて綺麗な美人の女の人を思い浮かべ、僕は涎を垂らしながら気力だけで草原を全裸で疾走したのだった。
何でこの話を書いたのか作者にもわかりません。
多分、暑さで頭をやられたんだと思います。