秋の記憶
左から3番目の木目の扉
錆びた金具の丸いドアノブ
開けば金木犀の香り漂う夕方の4時
喜怒哀楽を遊ぶ子供達
隣の家の夕飯の匂い
夕立で暗やむ空
見るでもなく垂れ流すドラマの再放送
読みかけの小説
世界へと入り込む
夕立が過ぎた頃
鈴虫の一日が始まる
太陽はせっかちになり
月が顔をだす
枯れ葉は憂いを誘う風に死季を告げられ
北へと運ばれる
感慨の深夜に上着を羽織る
街灯はあの日の記憶
手垢だらけの過去を照らす
世界は自分だけだと思い込み
意味のない涙をこぼす
季節の変わり目に聞く音楽は
過去を儚く思い出させた
暖かさは優しさにかわり
明かりは全てを包み込む
見知らぬ家から漏れる
オレンジの光
家が恋しくなり帰路につく
昨日変えた羽毛布団に包まり
明日への希望を数えて空を飛ぶ
今日はいつもの月曜日