あれで人間だとよ
色々時代感にそぐわなかったりするでしょう?一応ファンタジーなんでそこまで気にしない気にしない。
ドゥゥォォゴォォォォォンン!!!!
「何だ何だ何だ!?」
「あっちの方から聞こえたよ!」
「誰か屁でもこいたんか?」
「んなわきゃねぇだろ」
牢屋を突き破ってリバディ達が出て来ました。
「―..ぉぉおおお!!出てこいや黄川ぜい太郎!こっちから出て来てやったぞ!!」
「はぁ、まぁでも浪漫は最高だ」
「カゲグマ君も協力しようぜ!」
「これは何て言おうかね〜、山火鐘動乱編の始まりだ!!!」
果たして山火鐘はどうなってしまうのでしょうか。そしてこの人物も、動乱を始めようとしていました。
「そうだ、もっとやれ、それでこそ我等―だ」
「良し、作戦通り行くぞ!抜かるなよ!」
「分かってるって!」
「これも浪漫だ」
「ずっと思ってたけどそのロウマンって何?」
「皆作戦覚えてるよな?」
「浪漫は仏蘭西という国の言葉らしい」
「意味は?」
「そこ右行ったらあれか」
「知らん」
「あーもう行くぞ!!ちゃんとやれよ!!」
「そうだな。協力協力!」
「そうだな」
「良うし、行くぞ!せーの!」
『おーー!/裏切ったら殺すぞ!/浪漫のために/面白がれ!』
「揃えろや!!」
「さっさと行くぞ!!」
そして、土蔵の城近くの櫓では、
「ほう、この我から逃げるか。良いだろう、相手してやる!!全ての門を塞げ!」
報告を受け、黄川ぜい太郎も動き始めました。
最初に動きだしたイデキ。
「さ〜て作戦のお浚いだ。先ずそれぞれ単独行動する。で、リバディが先に黄川と戦って足止めして、その合図で僕がカゲグマのと、アラヨット!」
前方に居た兵士を気絶させた。
「ちょっと眠っといてね〜」
「お、お、お、お、お主まさか!?」
「妖怪だよ。怖〜いね!君も気絶させようか?」
「ギャァァァ!!」
「リバディが足止めするまでこっちも注意集めないとね」
リバディは屋根の上を飛んで回っている。
「ぜい太郎!!どこだ!!オレはリバディだぜ!あの耳黒い妖怪!!もう一度戦おうぜ!!」
ぜい太郎とその近くに居たカサナゲ。
「うわ〜こっちにぜい太郎居る〜!ヒキリ先城の方行った方が良さそうだぞ〜」
ヒキリは城を眺めていた。
「城の入り口、あれがカゲグマか?なら早く行って。それかイデキ早く来て」
リバディはまだ飛び回っている。
「ぜい太郎ビビってるのか?あ!?もう走り過ぎて疲れたぞ!」
カサナゲがぜい太郎に見つかりそうだ。
「この近くに居る事は分かってるぞ、妖怪!!出て来い!!」
(出る訳ねぇよ!早くリバディ来て!)
面白がっているイデキ。
「カゲグマは何処だ?...もしやこれ其々違う担当の方に来ちゃってる?それは面白そうだ!」
その背後に兵が迫って来ていました。
「死ね!」
「よいしょ。寝てろ〜」
リバディ。
「カゲグマもぜい太郎も見当たんねぇな。二人してビビってんのか!?どうだ!図星ですか!?」
カサナゲとぜい太郎。
「そこだ!!」
「やっっべバレた!!」
ズォォォォン!!!
物見櫓が崩れた。
(何あの力!?いくら何でも物見櫓一撃で破壊する!?は〜!?)
イデキ。
「カゲグマは物見櫓から探すか」
ズォォォォン!!
「何だ!?!?あーれーは!!カサナゲ黄川と戦っちゃってるじゃん!」
リバディ。
「こ〜のー音ーはあっちのあそこだ!!全力走り!!」
ヒキリ。
「カゲグマも動いたね、行くか。あそこに浪漫が待っている」
イデキ。
「どうしよどうしよ!カサナゲ助ける!?判断出来ないよ僕!」
その近くまでリバディが飛んで来た。
「ぜい太郎見つけたぞ〜!!!!」
「あ、リバディ来た!じゃあ僕はカゲグマ探すか」
「必殺隼斬りー!!!」
サァァァァァン!!ドォォォォン!!
「おっっと、貴様は!」
ザァン!
「リバディ!めっちゃ待ってたよ!」
ジジジジジジジジ!!!
流れる様に鍔迫り合っている。
「カサナゲはあそこのイデキと行け!!」
「了!」
「逃がすと思うか?」
カサナゲの前に数十人の兵が立ち塞がった。
「射手投げ!」
カサナゲが兵を二人纏めて投げ飛ばした。
「うお!!」
「待て!!」
「何処行った!!」
混乱の隙に、カサナゲは既にイデキと合流していました。
「遅かったな」
「ごめん、さっさと行こ!」
一方その頃のヒキリ。
「...兵はあそこに四人、こっちにも四人、忍び込むのはやっぱり難しいね」
そのヒキリに気付いた者が居た。
「......始めるか」
グォォォゴォォォォォンン!!!
「キャ!」
それは、起のカゲグマであった。
リバディとぜい太郎。
「必殺奇襲斬!」
「後ろに目が無いとでも思ったか!」
ガッッァァァァン!!
「それならちょっと後頭部見せてみろ!」
ザッッッァァ!
「首ごと持って見てやる!」
「お前の後ろも見てみたいものだな!!」
バックァァァァァァンン!!
「あ〜れ?首斬ったと思ったんだけ、ど、ね!」
空に向けて刀を投げた。
ガッッッッッッ!!
空中でぜい太郎が跳ね返した。
「オレの目は上にも付いてるからな!」
「ほう、じゃあお前の刀は拳にでも付いてるのか?」
リバディの刀は城の方まで飛ばされていました。
「付いてるさ、刀の一本や二本ぐらい!!」
ドゥォン!スゥゥゥゥアバァァァンン!!!
「拳っていうのは人間最大の武器だ!」
一方土蔵の城でも戦いは起きていました。
「...何かを起こそうとするのは良い事だが、私はそれを阻止する事を起こそうとしている」
カゲグマがヒキリを追いかけていました。
ドガァァァン!!!
「理屈になって無い」
ヒキリが剣を振った。
ザゥァァァァンン!!
「..ならば理屈にさせる」
「頭の中どうなってるの?」
「..見せると思うのか?」
「いや?」
「「......」」
謎に沈黙が走った。...気不味い雰囲気。
イデキとカサナゲも城へ向かってた。
「作戦は覚えてるよな!?」
「覚えてるさ!!」
二人は大量の兵士に追われていた。
「待ちやがれ!!」
「じゃあ合言葉も覚えてるよな!?」
「そんなんあったっけ!?」
「あー不安!!もう良い、そこで別れるぞ!!」
「応!!」
「待て!!」
「「待つかー!!!」」
リバディは未だ戦っていた。
「やっぱお前妖怪だろ!!腕足背腹肩腿どこ取っても人間じゃねぇ!!」
「だが人間だ!!残念だったな!!」
ヂャャャァァァァン!!
バッッッ!!
ぜい太郎が跳んだ。
「嘘付け!!縦で一町も跳んでるぞ!!」
「それがどうした!!お前も出来るだろ!!」
「無理だわ!!!」
ドゴォォォォォン!!!!
ヒキリとカゲグマはまだ睨み合っていた。
「......」
「.........」
「.....ッ...」
「...」
どちらも動こうとしない、不毛な戦いである。
「...あなたはやる気あるの?」
「...じゃあ見せてやる」
ガッッッッッッッ!!!
カゲグマが先に攻撃をした。
「く、キツイわね」
スァァンン!!
「...斬り返せるだけ強いか」
「あなた声小さいからもっとハッキリ言ってくれる?」
「......」
ドゴォォォォォン!!
「ちょ、ここあんたのとこの城でしょ!?壊して良い訳!?」
「...壊せるだけ壊せという命令だ」
「何その変な命令」
「.....変と言ったな」
ギヂャャァァァァンン!!!
「何?怒ったのかしら?」
ドゥゥゥゥォォォォォォォォンンン!!!
城全体が揺れた。
「変って言うだけで馬鹿力出して、面白くないよ」
「............」
「..本当頭の中どうなってるの」
イデキはどんどん城から遠ざかっていました。
「ちょ、兵来過ぎだって!!」
「妖怪に情け容赦など要らぬ!!」
「あーもう!城行かせろ!!」
「させぬ!!!」
スパァァァンン!!
飛んで来た矢がイデキの右腕を掠った。
「うぉっと、弓矢は反則だろ!!!」
「じゃあお前にも矢をくれてやる!!」
「そういう事じゃねぇ!!」
「イデキ〜〜!!大丈夫か〜!!??」
屋根の上をカサナゲが走って来た。
「カサナゲ!!」
少し遡ってイデキと別れたカサナゲ。
「あー、殆どの兵イデキの方行っちゃったな。…俺そんな弱そうだったか…」
「あんたには私だけで十分だからよ」
「わ!?誰!?髪長!」
そこには髪が膝まである程長い女武者が居た。
「どんだけ伸ばしたらそうなるんですか?」
「坊主には分からない事だ。死ね」
「逃げろ俺!!逃げよう!!」
女がとても長い長刀を取り出した。
「無駄よ」
ザゥァァァァンン!!!
「わわわ!どこにそんな長いの持ってたの!?」
その刀は刃渡りで言うと、183cmありました。
「髪の中に入れてたわ」
ザァァァッッン!!
「ああ貴女近付いて見たら九尺ぐらいあるな!!」
「貴方は四尺も無さそうね」
「六尺はあるわ!!」
鬼ごっこはどんどん物騒になって行きます。
ゴォォンンンン!!!
「左!!と、見せ掛けて右!」
ゾォォォォォ!!!
ゴッッッドォォォン!!
建物が雪崩れの様に道を塞いだ。
「じゃあやっぱひだ―」
ゾゥォドゥォガァァァァンン!!!
「なら真正面も―」
ガッッァァァァァァン!!
「あ〜ー...」
「袋の鼠とはこの事」
「それは屋根の下で言ったらどうかな!!」
カサナゲが飛び上がった。
「やーっぱり刀重いから飛べないだろ!」
そのまま屋根を走って行き、こうしてイデキと合流した。
「あーもう丁度良い所に刀落ちて来い!!」
「その拳が刀なのでは無かったのか!!」
ゼゥァァッッァァンン!!
リバディとぜい太郎は中々決着が着いてませんでした。
「確かに刀だけど間合いが足りねぇよ!!」
ドォン!!
「確かに足りないな!!」
ブァッッッ!!!
ぜい太郎が音速で間合いを詰めて来た。
「奥の手!手刀!!」
「そんなんで防げると思うか!!愚か!!!」
グッッグガァァァァァァンンン!!!
「フッフッフ、防げるんだな〜それが!!!」
「何!?!?」
「教えね!!ドラァ!!」
グァァァン!!
「あーもう何で避けれんだよ!!!」
「教えねぇわ!!!」
ドゥガァァァァン!!!!
「サッと避けてお返し斬!!」
ダァァン!!
「苦、しぶとい畜生め!!どうやら本当の本気を見せてやらんとな!!ハァァァァァ!!!!」
ズゥァッガッグッゲドガァァァァァンンンン!!!!!
「おっとっとっとっとと、っと。あ〜あー、あれで人間だとよ」
第四話、続く
前に章を決めない、とウイチの前か後書きで言ったな。あれは嘘だ。