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保護色のクズ



入り口前の喫煙所に着くと、同じタイミングで怒号が聞こえてきた。



犬神はスズからもらったチュールの細い袋をまとめて開封した。スーツの上から腕に、胴に、足に、頭に擦りつけた。



緑色の男が顔を真っ赤にして近づいてくる。こめかみ血管を浮き上がらせ、歯茎を剥き出しにしている。背後には、景色を埋め尽くすほどの猫が続いていた。



緑色の男は犬神の姿を認めると、式場全域に響くほどの怒鳴り声をあげた。



「このチャペルのクソガキがあ!」



犬神は息を吸い込む。



「絶対に通さねえ。」



小さく、震える声で言った。





おわりーーー

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