神価連合との再戦
会場に向かうと6人の男に囲まれ、依然と同じ広い場所に連れていかれた。
八百万の物達は姿と気配を消して付いて来ていた。
部屋に入ると多田昇が不敵な笑みを浮かべ、
「またお前か、懲りない奴だな。
今度はお前の玉を貰うからな」
「イヤイヤ、今度は負けない」と言って、2つの刀を出した。
前回と同じように議員を呼ばれる物達が一斉に襲いかかってきたが、姿を消していた八八百万の物達が姿を現し戦い始めた。
八百万の物達は個々に何らかの能力を持っているようだったが、皆が翼を持たずとも空を飛べ、空中戦になっていた。
多田昇と一対一の戦いになった。
前回と同じ様に赤い翼をまとい金と銀の刀を出して向かって来た。
前回と違い周りから攻撃をされないのと、こちらも2刀を持っていたのでたやすく攻撃をかわし反撃した。
驚き
「胴の刀を手に入れて、2刀を習得したのか」と言って、銀の刀を手放し
玉から硬度4(フローライト)の刀を出し、金の刀との2刀で攻撃をして来て、攻撃をかわすのが精一杯になって、距離を取った。
寸がすかさず胴の刀を拾い、2刀の構えをした。
多田昇が
「以前、私に敗北した事を忘れたのか」と、笑みを浮かべた。
「まともな刀が無かったからな」と、刀をクロスして真空で大きく振ると大きな波動が出て、それが直撃し、両の刀でそれを止めていたが後ろにかなり後退していた。
「そんな技があったのか、やるな。だが力が弱いわ」
「刀のせいだ、金の刀があればお前には負けない」
「この刀か、残念だったな。その程度の攻撃ならば負けはしないわ」と、が笑みを浮かべていた。
「今の刀では私は勝てないだろうが、龍虎がこの技を使えば勝てるだろう。
龍虎が真の我々の見方になるのか分からなかったのでこの技は教えてないが、円を描く形が全ての武道の基本で、竜虎は円を描く形をこなせているので1度見せれば出来るだろう」と、頷きながらこっちを見た。
出来る自信はあったが、波動が出るかは半信半疑だった。
寸のしていた構えをして周りを見渡すと、八百万の物達がほとんどの敵を倒しているのが見え、倒された奴らは息をしていて、滅してはいなかった。
寸と同じ動きをして刀をクロスし、真空で大きく刀を振ると寸よりも大きな波動が出て、直撃し、両の刀でそれを止めようとしていたが止めきれず刀がぶっ飛んだ。
寸が金の刀を拾い、多田昇の首元に突き付けた。
「滅するのは待って」
「ふー、分かった」
刀を収め、近づき
「お前の持つている玉は硬度4(フローライト)の刀と赤い翼と、もう一つはなんだ」
「もう一つは小さな透明な羽で、小さな力を持っている物達、複数が空を飛べるようになる」
「もともと金、銀、胴の刀は一つ刀で、玉ではないらしく、八百万の物達が持っていた袋から出た物だった。
大陸からきた選ばれし物から奪われ、それを出すと一刀だったが、その者が赤い翼と硬度4(フローライト)の刀と、その袋を置いていき、
神心教の教祖(大陸から来た選ばれし物)のあとをついだ力のある物が玉を出した時に薄い3つの薄い玉に入った金、銀、胴の刀に分かれたらしい。
おそらくその者に強い力がなかったのだろう思う」
「その刀は、われわれ八百万の物に受け継がれてきた秘剣。並みの物が扱える物ではない」
「そっか、この刀は八百万の物に返さないとな。
こいつらをどうする。影を切って滅するか、このまま生かすか?」
「この刀が戻って来たから、この物達には負けはしない。
滅するか、このまま生かすかは龍虎が決めるが良い」
「お前達、もう盗みを働いたり、強引に金を引っ張ったりなどの悪い事はしないか?
この国の政治にも関わっているようだが本当に良くしていこうと言う意思があるのか?
私が選ばれし物として選ばれた時に『この世界はもう直ぐ亡びる』と、聞かされた。
悪い事をせずに良い方向に少しでもこの国をしていってもらえるのなら、生きて行ってもらおうと思う」
「そうか、分かった。努力をしよう、生きることを択ばせてもらう」
「この刀が戻って来たからには、お前らごときには負けない」と、
三つの刀を一つにし、その刀から強力な力を感じ取った。
「この刀の事は話せないが、影を切り取る力もある。もし悪の道に進む事があれば我々がお前たち影を切り取り、滅する」
「分かった」と言って、
硬度4(フローライト)の刀と赤い翼、小さな透明な羽の玉を出し、それを受け取り2刀を持ち、2刀の構えをすると並々と力が湧きあがって来るのが分かった。
三つの玉を直してログブックを開くと、新たなページにいくつかの書き込みがあった。
西の大陸
火中、ドンパを中心に神心教が多くの国々に広がっている。
ともに神心教を崇拝しているが互いが争い、一発のミサイルで一国を滅ぼす事が出来る兵器を数十発持っていている。
人口も世界で1、2を争い発展を続けていて、火中が金と武力で近隣の国を制圧しようとしている。
過去に選ばれし物が数人いて、その中には選ばれし物として強力な力を持つ者もいた。