2刀流
『取り戻す』って言われても、神価連合の多田昇は2刀流でけっこう強いし、微力だけど力を持ってる奴らが大勢いてるから戦いずらくて。
持っている刀は硬度3のパールで出来た刀だから負ける気はしないけど、刀を傷つけられないようににと、相手の刀を傷つけないようにと考えると・・・
この刀があれば、修行をして2刀流を習得出来るんじゃないかと思ってるんだけどな。
ただ、いろいろな修行はしたけど2刀流の修行はしてないからな、刀は1本しか持ってなかったから」
「そうか、パールで出来た刀を持っているのか。
2刀流の修行は私がしてやっても良いがな。
金、銀、胴の3つの刀を集めて・・・をすると大きな力を手に入れる事が出来る」
「え、どんな力」
「敵になるか味方になるのか分からない奴にその事を教えられるか。
その方法を知る者は人しかいない。それにあの刀達は我々の刀だ」
「そうか?でも玉を集めてるからな。
3つの玉内2つと今回の玉も渡すとなるとな、でもま、赤い翼の玉は手に入るから別にいいけど」
「ふふ(笑)、刀を3つ私達に返すのだったら、2刀流の修行をつけて神価連合を共に倒すか」
「うーん、今のままだと勝てないから。刀以外の玉が手に入って2刀流の修行をつけてもらえるのならいいよ」
「そうか、今から55日後に1年に一度八百万の物達の集まりがあるかからそれまで2刀流の修行をして、皆にこの事を話してみる」
「分かった」
寸が腰元から布袋を出、中から小槌を出して自分に小槌を振ると小さな体が大きくなり立派な武士の姿になった。
腰元に刺していた2刀を取り出し2刀流の修行が始まった。
「もともと基礎が出来ているから筋が良い」と言われて、集まりがある頃に修行は終えた。
八百万の物達が集まるとされる、山の火口の中の洞窟に入って行った。
中に入り広い場所に着くと姿は見えないが気配がして、力を開放すると上空、壁、地中から数人の物達が現れた。
寸がその者達と話していると次々と集まって来て、数人の物達と数十分間話をしてその者達とこっちに来て、背が高い長い黒髪の美形の男が話しかけてきた。
「龍虎と言う名だな、選ばれし物か」
その男がリーダーだと感じながら「そうだ」と答えた。
周りがざわつく中、男が頷き
「そうか、1000年以上昔に一度で会った事があった。
その男は西の大陸から来て、『神心教をこの国で広めるために来た』と言って、我々の持つ刀を力ずくで奪って行った。
その後この国の神心教は少しずつ弱まり、神価連合の設立者の田島一郎が力を持ち強引な手段で信者集め今に至っている」
「そいつも選ばれし物」
「いや違う、だが龍虎の言う玉を持っていて多田昇がそれを受け継いでいる。」
「けっこう強かったけど、選ばれし物じゃないんだな」
「以前、西の大陸から来た選ばれし物はとてつもなく強かった」
「そうか。俺も、まだまだなんだな」
「分からないが、多田昇ぐらいに負けてるようじゃな」
「多田昇だけじゃなくて、他の物も大勢いたから・・・」
「そうか(笑)。龍虎が本当に多田昇を打ち負かし我々の剣を取り戻して返して貰えるのなら、我々が他の物達を打ち負かしても良いが」
「うん、それは大丈夫。手助けしてもらわないと勝てないから」
「明日の月に一度の集まりに多田昇が来ると言う情報を手に入れたから、
明日、戦いに行こう」
「分かった」