トウメインと透明人間
俺は東明。
俺は彼女の正体を知って驚いた。
彼女が何者かというと、それは彼女も俺と同じく、薬を使って透明になった人物だったのだ。
しかし、俺はそんなことは気にしなかった。
俺が彼女と付き合うようになったのは、
そんなことよりもっと重大な理由があったからだ。
俺は彼女を好きだと思った。
この気持ちは嘘ではない。
きっと、この感情こそが真実なのだ。
しかし、俺がそれを口にすることは許されない。
なぜなら、それが許されるのは子供だけなのである。
いや、子供ですら許されていないかもしれない。
私はいつだって、自分の利益のために行動しているのだから。
だから、俺は透明になって彼女に思いを告げた。
俺は透明人間だ。
あなたは誰?
私は東明。
博士?
私は博士だ。
博士が透明なの?
そうだ。
私が好きなの?
ああ、とても美しいよ。
博士はとても素敵よ。
****
私は東明。
私はある日、透明になる薬を手に入れた。
その薬を飲むと、身体が透けていく。
いぼではなく戦争で世界は終わった。
トウメインの副作用を知っているか。
それは勃起することだ。
しかし、トウメインの副作用を知らない人は勃起すると勘違いをする。
勃起したと思い込む。勃起したと思うと勃起してしまう。
勃起したと思うと勃起し続ける。勃起したと思うと勃起し続けてしまう。
いぼではない、万能薬でもない。勃起するだけの薬だ。
私は博士。
私は東明。
私は勃起したと思い続けている。