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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

十八年前の婚約破棄を引きずっている、ヘタレな私

作者: 神無月蓮晃
掲載日:2022/04/12

新作を投稿します。

十八年前の婚約破棄を未だに引きずっている、ヘタレな女性の話です。

「アヤメ、偽聖女の貴様とは婚約破棄する。そして国外追放とする」

「はぁ、またあの時の夢か」

私は元聖女のアヤメ。

十八年前に婚約者のバンク王子に婚約破棄を言い渡されて、国外追放となった三十六歳のオバサンだ。

現在は隣国に帰化して、辺境の村で、子供達に魔法を教えている。


「アヤメ先生、おはようございます」

「先生、おはよう」

「カガリ、ホムラ、おはよう」

カガリとホムラは姉弟で、両親が流行り病により、病死してしまい、私と一緒に暮らしている。

カガリは地属性と水属性の魔法が得意な可愛い少女で、将来の夢は母親のような女性になる事だ。

ホムラは火属性と風属性の魔法が得意な生意気な少年で、将来の夢は冒険者になる事だ。

私は婚約破棄されてから、夢が無いので、とても羨ましい。


「私と結婚して欲しい」

いきなり村長のコネルさんからプロポーズされた。

彼は四十二歳の働き盛りで、息子さんが結婚して、独立するので、私との結婚を決心したそうだ。

「少し考えさせて下さい」

返事は暫く保留させてもらった。


「どうしよう」

私は未だに十八年前の婚約破棄を引きずっているので、結婚には躊躇してしまう。


「アヤメ、久し振りだな」

「バンク殿下?」

突然バンク王子が兵士達を引き連れて、訪ねてきた。

「何の用ですか」

「婚約者が訪ねてきたのに、ずいぶん冷たいじゃないか」

「何を言っているんです。十八年前に貴方の方から婚約破棄をしたのを、お忘れになったのですか」

「実は我が国では聖女が不在で、とても困っている。それでアヤメに戻って欲しいんだ」

「お断りします。私を偽聖女と断定したのは、貴方ですよ」

速攻で頼みを拒否した。

「王子である私の頼みなんだぞ。我が国の民として、従う義務がある」

「私は既に帰化しています。貴方の国の民ではありませんので、従う義務などありません」

「仕方ない。無理にでも連れ帰る。お前達、アヤメを捕縛しろ」

「何をするんですか。離して下さい」

バンク王子が兵士達に命じて、私を無理やり連れ帰ろうとした。


「アヤメ先生を離して下さい」

「先生から離れろ」

「カガリ、ホムラ」

カガリとホムラが私を助けようと、乱入した。

「邪魔をするな」

「きゃあ」

「うわぁ」

しかしバンク王子が二人を殴り付けた。


「何の騒ぎだ」

「アヤメ先生、どうしたのですか」

「何があったのですか」

「アヤメ先生、この男は誰なんです」

「お前、アヤメ先生達に何をした」

騒ぎを聞き付けて、コネルさんと近所の人達が駆け付けてくれた。

「助けて下さい。この男が私を拉致しようとするんです」

「何だと」

「アヤメ先生を拉致しようとしただと」

「この野郎、ふざけるな」

「お前、どういうつもりだ」

「事と次第によっては、許さないぞ」

皆がバンク王子を取り囲み、問い詰めた。

「貴様達、私は隣国の王子だぞ。不敬罪で処罰されたいか」

「隣国の王子だと」

「それがどうした」

「俺達には関係無い」

「この不埒者」

「さっさと帰れ」

「畜生。このままでは済まさないぞ」

バンク王子は不利なのを悟って、兵士と共に引き上げた。


「アヤメ先生、事情を話してくれませんか」

「‥‥‥実は私は十八年前まで、隣国で聖女を務めていました。そしてあの男と婚約していました。しかし突然に偽聖女の汚名を着せられて、国外追放されたのです。それなのに隣国で聖女が不在だからと、私を無理やりに連れ帰ろうとしたのです」

暫く躊躇いましたが、コネルさんに全ての事情を話しました。

「事情は分かりました。しかしアヤメ先生が隣国の聖女だったとは驚きました」

「今まで黙っていて、すみませんでした」

「取り敢えず領主様に相談して、助けを求めましょう」

「ご迷惑になりませんか」

「領主様は優しいお方ですから、大丈夫です」

こうして領主様に助けを求める事になった。


「事情は分かった。しかし私の手に余る問題だな。国王陛下の指示を仰ぐ必要がある」

更に国王陛下の指示を仰ぐ事になった。

段々と大事おおごとになっていくので、不安に襲われた。


「隣国の聖女が我が国に帰化していたとは、思わなかった」

何故か国王陛下に謁見する事になってしまった。

「事情は把握しておる。余に任せておくが良い」

「宜しくお願い致します」

国王陛下にお礼を述べた。


「隣国から使者が来訪した。バンク王子がそなたにした狼藉に対しての謝罪の為だ」

隣国から謝罪の使者が来訪して、私の問題は解決した。

バンク王子は王籍を剥奪されて、牢獄に入れられたそうだ。


「ふつつか者ですが、宜しくお願いします」

私はコネルさんのプロポーズを受けた。

読んでもらえれば嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まぁありがち、といえば、ありがちなお話なんですけどね 18年も経っててから > 「婚約者が訪ねてきたのに、ずいぶん冷たいじゃないか」 ないわー これはない 分かりたくはないが、1〜…
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