『死する者よ』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
『死する者よ』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
㈠
死する者よ、何故、口ごたえせぬ。
お前の口は、土葬のため、まだ朽ちていない。
それなのに、足掻くもがく、精神状態は、既に疲弊しているのか。
死する者よ、まだ、お前には、やるべき命題が残っているのに。
㈡
永遠の逸れから、自己が衰退して、死する者よ、しかしお前は生を全うした。
海中の散骨から、自己を防御して、死する者よ、土葬と選んだお前は正解だ。
死する者たちよ、自己は制御して、雪の音の如く、静かに土に埋もれている。
だからこその話、自己は革命して、形式を纏って、お前は我々に死を伝える。
㈢
死する者よ、何故、口ごたえせぬ、まだ明朝の頃の、朝焼けの如く。