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全ては神の思し召し~神の使徒として転生してしまった俺の改善改革次第~  作者: 於田縫紀
第14章 冬もお仕事

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第76話 気がつけば第3弾

 何でこんな事になったんだろう。

 こう思うのは何回目だろうか。

 今回の『何で……』は学校における授業開始前の施術訓練についてだ。

 これはあくまでも生徒を対象にした施術訓練の筈だった。

 それが今、教団専従員の大人もかなり混ざってしまっている。


 もともと施術訓練は教室ではなく外とかホール等でやっていた。

 生徒全員で外に出て先生全員で指導するという感じだ。

 火を使ったり進度がクラス割りと一致していなかったり等の理由でだ。

 でも生徒が思った以上にあっさり熱の施術を身につけたのを見た実業部門の皆さんから、

「私達も訓練に参加したい」

という希望があったのである。

 それも結構な人数だ。

 ついでに言うとスコラダ大司教からの『お願い』なんて書状までやってきている。


 仕方無い。

 そうでなくとも学校や生徒は実業部門に色々お世話になっている。

 無料で学校運営出来るのも実業部門の協力あってなのだ。

 そんな訳で学校の施術訓練、対象者が倍以上に増えた。

 その中にはおいおいという輩も含まれている。

「親方は施術を使えるでしょう。何故こんなところに」

 鍛冶場の親方こと熊、もといイラーリオ司祭補まで何気に混じっていたりする。


「一応俺は初級治療と回復まで使えるけれどよ。正直あんまり得意じゃねえ。このままじゃ細かい金属加工とか文様付けがグレタに勝てなくなる。あいつ最近は鉄鍋に熱の施術で文様だの描いたりしはじめたからな。そのうち鉄塊から施術だけで形あるものを切り出したりなんてしかねねえ。

 だからうちの工房で施術が苦手な奴はここで特訓という事にした。俺だってまだまだグレタの嬢ちゃんに負ける訳にはいかないしな。職人は向上心が無くなったら終わりだ」

 おいおいおい。

 グレタちゃんもとんでもないが親方もなかなかだな。

 でもこんなのが鍛冶場に限らず木工所だの食品工場からも来ている状態だ。

 勿論農場からが一番多いけれど。


 元々実業部門は施術が苦手な人が多い。

 なので結果的には本部にある実業部門の全部からやってきている状態だ。

 更に部門が全員これに出ていると働いている生徒もこっちにやってくる。

 つまり1日2回施術訓練している生徒もいる訳だ。

 結果延べ人数はえらい事になる訳で、教える方は非常に大変だ。

 しかも自然科学に微妙に準拠した方式の発動方法を教えるのは基本俺だったりする訳で……

 おかげで訓練の時は多重分身を使いたいくらい忙しい。

 勿論多重分身なんて施術は生命の神(セドナ)教団にも存在しないけれど。


 そして職員室で俺は更に追い打ちをかけられた。

「校長先生の施術発動方法はなかなか面白いし効果的なのです。なので今度教本として一般にも販売するのですよ」

 おいおい。

「俺はこれ以上やる気は無いぞ」

「安心していいのです。代わりに私が書くのです。使徒様が説くシリーズの第3弾として一般にも販売するのですよ」


 ちょっと待てイザベル。

「何だそのシリーズ、俺は知らないぞ」

 しかも第2弾ですらなく第3弾だと!

「第1弾と第2弾は生徒の質問に校長先生が答えた内容を元にして書いたのです。宇宙や地球の構造とか自然の法則等、生命の神(セドナ)教団をはじめ今までの考えと全く違った世界像を色々描いてなかなかいい感じに売れたのです。なので是非続編を書いてくれと教本出版部から依頼があったのですよ」

 いつの間にそんなものを作っていたのだ。


「でも今までの伝承とか神々の存在を否定するような内容もあるし問題にならないか。最悪発禁とか著者逮捕とか」

「全く問題は無いのですよ。そちらの考えも併記してありますし、国王自らが面白いと言って読んでくれたようですから」

「そんな物国王にまで読ませたのか」

「某大司教がこっそり持ち込んだらしいのですよ」

 何だかな。

 あのおっさんはそういった訳のわからない繋がりを色々持っている。

 見かけは相変わらず実直一筋という雰囲気。

 だが時々猛烈に怒ったりお茶目になったりするのだ。

 さてそれはそれとして。


「でもそんな本で施術が身につくのか?」

「熱操作くらいはできないこともないと思うのですよ。ただ治療や回復等複雑な施術はそれなりに知識がないと無理なので、講習なり学校になり通う必要があると思うのです」

 言われてみればその通りだな。

 とりあえず俺も納得する。

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