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決意

□    □    □




ハッと目を開けば、そこは見慣れた天井。

飛鳥組の客間だ。


「ぅあ…ダル…。」


重い頭を押さえながら、起き上がってみると、赤いものが視界の端を滑ってきた。


「あ?なんだ?」


空いた手で掴み、グイッと引っ張ってみると、自分の頭が痛くなった。

暫し、思考も動きも停止する。


―――ガラ

「ああ、起きた?具合はどう?」


流が入室して来たが、未だ回復しない。

パンッと流の張り手が、竜の後頭部に炸裂した。


「起きた?」

「おう…。」


叩かれた場所を摩りながら、手元の真紅のものに視線は固定されている。

流も、その手元を覗き込む。


「あのさ、流さん…。」

「ん?」

「コレ…髪?」

「髪ね。」

「俺の?」

「あんたのね。」


頭に櫛が通されるのを感じた。

手元の髪が後ろに梳かれる。

引っ張られる感覚と、髪が揺れる感覚。


「はい、出来た。」


ぽんぽんと頭部を叩かれ、結び終わった事を知らされる。

皮膚が引っ張られて少し違和感を感じる。


「尻尾が出来たね。可愛いよ。」


ふふ、と流が笑いながら、竜の髪をくいくいと引っ張った。

なんだか照れ臭い。

不意に思い出した、祖父の言葉。


―――千鶴に…彼の先代に伝えてくれ…。


「そうだ…伝えなくちゃ、いけない。」


それには、と顔を上げた。


「まず、強くならなくちゃ…。」


その呟きに、流は何も言わず、笑みを深めた。









「世界を…救える力を…。」

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