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4話 科学で魔法考察

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* * *


2話の冒頭に「魔物の存在を示唆する文章」を追加しました。


まだ設定がぼやけていた部分があるまま書いていたせいで、後から大事な文章を追加してしまう結果になってしまいました、ごめんなさい(>д<;)



 呼び出しを受けた私は、叱責を受けることを覚悟しながら父の執務室に向かった。

 執事の案内で入室すると、父は執務机の前から立ち上がり、備えのソファに座り直すと、私に対面へと座るように言い、

「魔法を使ったね」

 父の重い声に私は身を固くした。

「はい。危険なことをして申し訳ありませんでした」

 私が素直に認めて謝ると、父は安堵の溜息を吐いた。

「お前は魔力量は人より多いのだ。きちんと知識を得て、訓練すれば大きなことも成せるだろう。自棄(やけ)になるな」

「はい。地道に頑張ります」

「ならば、今日は夕食を()ったらすぐに寝なさい。倒れたということは体が休息を欲しているのだろう」

「はい」



 夕食は、私ひとりだった。

朝食も昼食も夕食も、いつも一緒に食事を摂っていたのに「今夜は仕事が立て込んでいてな」と、父は席を外した。

 広いダイニングテーブルで静かに食事を摂っていると、だんだんと不安になってきた。

 いつもの厳しくも優しい父だったけれど、内心では私に失望しているのではないのだろうか。


(お父さまの言う通り、きっと疲れているからそんなふうに考えてしまうのね)


  * * *


 次の日から、魔法専門の家庭教師がやってきて、彼から魔法の基礎知識と魔力操作を習った。

 すでに魔力の放出を経験した私は、すぐに滞りなく魔力を放出、そして操作までできるようになった。

 放出量の調整、密度の調整、放出する方向や速度の調整。そして、魔法の実現力。

土壁を作り、土像を造形した。

 想像力を鍛えることで操る土の動きはもちろん、土の状態を管理し、思うように形作られるようになっていった。


 日ごとに洗練されていく私の魔力操作と魔法の実現力に「お嬢様は天才ですね!」と教師が褒めたが、心が伴っていなかった。


(《無能》な土魔法使いが魔力操作や魔法に優れていてもな、と思ってそうな顔ね)


「土壁を作る」「土像を造形する」と言っても、地面の土を隆起(りゅうき)させて形を整え、固めているだけだ。


 《五大元素魔法》は、火・水・雷・風・土から()っている。


 ──火魔法は、思う場所に思うように火を生み出し、

 ──水魔法は、思う場所に思うように水を生み出し、

 ──雷魔法は、思う場所に思うように雷を生み出し、

 ──風魔法は、思う場所に思うように風を生み出し、

 ──土魔法は、()()()()()()()操作する。


 英雄伝にある「無から生み出す」ことが、唯一土魔法にはできない。


(土魔法が《無能》と言われる訳ね……でも)

 科学が発展した前世の知識が違和感を訴えた。


 科学でこの5つを説明するなら──


 ──火は、可燃物の温度が発火点に達して燃える発火現象であり、空気中の酸素が水素や炭素と反応して生じる熱エネルギー。

 ──水は、引力や運動エネルギーにより移動する。また、何もないように見える大気中にも実際には水分があり、湿度の高い大気中には水蒸気が発生する。

 ──雷は、雲の中の水蒸気が固まってできた氷粒の摩擦で起こる現象。

 ──風は、温度差から発生する大気の圧力による大気の移動現象。

 ──土は、岩石が風化したものや、風化によってできた粘土。


 魔法が魔力によってこの科学的な過程を引き起こしてると仮定すれば、土魔法と同様に他の属性魔法も「無から生まれる訳ではない」のではないだろうか。


 火・雷・風は現象であることに対して、水・土は物質そのものだが。

 いや、火と雷はプラズマという物質だとも言え、風を気体として扱えば、《五大元素魔法》は《五大物質》とも呼べる。

 科学的には、プラズマ・液体・気体・固体の《物質の四大状態》か。


 物質はある条件で、固体から液体に液体から固体に、液体から気体に気体から液体に、あるいは気体から固体に固体から気体に、状態が変動する。


 そして、それぞれは独立している訳ではなく、


 ──火は、燃焼を保つのに酸素が必要で、温度と風(気体)に関わる。

 ──水は、大気中の水蒸気が冷えると水になり、温度と風(気体)に関わる。

 ──雷は、雲の中で発生した氷の粒の摩擦であり、温度と風(気体)と水に関わる。

 ──風は、気圧の変化であり、温度に関わる。

 ──土は、風化によって生まれるため、風(気体)と関わる。


(改めて考えてみると、ほとんどの現象に温度と気体が関わっているのね。温度……熱って、どういうメカニズムだったっけ?)


 ──太陽の熱の届き具合で大気中の温度が変化する。

 ──エネルギーが熱に変わる。


(だめ。そのくらいしか分からない)

 科学知識を覚えていたのはいいが、どうやら中学生レベルの知識しか持ち合わせていないようだ。それ以上のことは忘れてしまったか、知らないのだろう。


(自分や家族の名前は忘れているのに、知識は覚えているなんて、まるで記憶喪失ね)


 記憶喪失も自分や家族のことは忘れていても、一般常識や知識は覚えているんだっけ?

 私の場合、体験も覚えているけど、人の名前や詳細が思い出せないというものだから、またちょっと違う気もするけど。


 思考が逸れてしまった。魔法の考察に戻ろう。


「面白い、続きが気になる」と思ってくれた方は、ブックマークしていただけると嬉しいです!


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